概要情報
事件名 |
三菱興業 |
事件番号 |
大阪地労委昭和48年(不)第61号
大阪地労委昭和48年(不)第83号
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申立人 |
全自交三菱興業労働組合 |
被申立人 |
三菱興業 株式会社 |
命令年月日 |
昭和49年 3月14日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
ストを解除された一部組合員、スト全面解除後の全組合員に対する就労拒否をめぐり争われた事件で、就労の受け入れ、バック・ペイを命じ、ポスト・ノーティスは棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人組合員を直ちに就労させなければならない。 2 被申立人は、昭和48年12月9日以降にストライキを解除された申立人組合員に対しては、その日は通常の勤務をしたものとして扱い、得たであろう賃金相当額 (ただし、既に支給した金額を除く) を支払わなければならない。 3 申立人のその他の申立ては棄却する。 |
判定の要旨 |
0413 ストライキ(含部分・指名スト)
少数の組合員だけを指名してストから離脱させる行為は、指名ストと同様の性格を持つもので、法的には正当とみなされるものであり、本件の場合、タクシー業の特殊性からみて、会社の操業体制をいたずらに混乱させた点はあるが、これをもってただちに違法とまでは言えない。
1302 就業上の差別
会社は、乗務員募集の事実からみても、努力すれば、スト解除者を就労させることは可能であったと認められ、また、48年度賃上げ要求は未解決であるとはいえ、組合がストを全面中止した以上、全組合員の就労を拒む理由はなく、本件就労拒否に関する会社の主張は認められない。
1302 就業上の差別
石油危機による燃料不足を理由に組合員の就労を拒んでいることは、燃料不足の最中にも運転手を募集していること、燃料事情の好転後も就労を拒否していること、また労使が鋭い対立状態にあることなどを考え合せれば、不当労働行為と判断される。
4415 賃金是正を命じた例
ストを解除された組合員は、その都度現実の労務の提供をしていないから、休業として平均賃金の60%の支払義務があるのみであると会社は主張するが、就労拒否が休業であるとの主張が不当であることは勿論、これらの者は会社の就労拒否の態度がはっきりしていたため社内の組合事務所に待機していたのであり、現実の労務提供なしとは言えず、賃金全額相当分を支払わねばならない。
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業種・規模 |
道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集53集169頁 |
評釈等情報 |
 
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