労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  千葉観光自動車 
事件番号  千葉地労委昭和46年(不)第7号 
申立人  総評全国一般労働組合千葉地方本部 
被申立人  千葉観光自動車 株式会社 
命令年月日  昭和49年 3月13日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  免許停止中の運転による事故を理由とする解雇、同人に運転を交代した者に対する出勤停止処分、チップ要求を理由とする出勤停止処分、無断欠勤を理由とする解雇をめぐり争われた事件で、出勤停止処分の取消し、バック・ペイを命じ、その他は棄却した。 
命令主文  1 被申立人は、申立人の組合員X1に対する昭和46年7月1日付、同X2に対する同年8月13日付の各出勤停止処分を取消し、右各処分がなかったならば右両名が受くべきはずであった賃金相当額より既に支払済である休職手当額を差引いた金員を支払わなければならない。
2 申立人のその余の申立は棄却する。 
判定の要旨  0700 職場規律違反
無断欠勤を理由とする、組合加入直後の3名に対する懲戒解雇は、欠勤に正当な理由ありとの心証がとれず、又同人らと共に組合に加入し、無断欠勤していたが、本件解雇の2日前から出勤した者は解雇されていない事実を考え合わせれば、不当労働行為とは言えない。

1103 背信行為
免許停止中にもかかわらず、便乗中の観光バスの運転を安易に交代し、人身事故を惹起した組合役員に対する懲戒解雇処分は、会社が組合役員である同人を嫌っていたと認められるにしても、会社が本件に関する新聞記事により信用を大きく傷つけられたことは事実であり、これが解雇の決定的原因と判断され、不当労働行為ではない。

1400 制裁処分
3608 動機の競合
3700 使用者の認識・嫌悪
4411 配転・転勤・出勤停止・下車勤等の場合
同僚X3の惹起した人身事故を理由として、X3に運転を委ねた組合役員を無期限出勤停止処分に付したことは、同人の腹痛という異常な心身状態を前提とすれば最大限7日間の出勤停止処分が適当であると考えられ、処分の決定的要因は同人が組合役員である事を嫌悪したことにあるものと判断される。

1400 制裁処分
3608 動機の競合
4411 配転・転勤・出勤停止・下車勤等の場合
チップを要求したことを理由とする、組合書記長に対する無期限出勤停止処分は、チップ要求が同人の勘違いであり、この勘違いに理由があること、その後真相を知った同人が陳謝文を差入れていること等を考えれば、重すぎるものであり、同人の組合活動を嫌悪した不利益処分と見る外ない。

業種・規模  道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) 
掲載文献  不当労働行為事件命令集53集144頁 
評釈等情報   

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