概要情報
事件名 |
阿南生コンクリート工業 |
事件番号 |
徳島地労委昭和48年(不)第5号
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申立人 |
総評全国一般労働組合徳島地方本部 |
被申立人 |
阿南生コンクリート工業 株式会社 |
命令年月日 |
昭和49年 1月31日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
チャーター契約の拡大、社外人らの組合員に対する言動等について救済を求めた事件で、社外人らの言動は会社の支配介入であるとして禁止を命じ、他の申立は棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人組合阿南生コン支部組合員に対し、社外人Z1およびZ2を利用して退職ないしは組合脱退を強要したり、組合活動すれば報復する等言って支配介入してはならない。 2 申立人のその余の申立ては、これを棄却する。 > |
判定の要旨 |
1302 就業上の差別
X1の予備運転者に関する協定書は、X1は勿論組合も勤務条件等の変更を承知納得の上、労使の話し合いにより締結したと認められるので、会社がX1に経済的不利益等を加え、自然退職を企図したとの組合主張には理由がなく、採用できない。
1302 就業上の差別
組合員3名が予備運転者とされたのは、組合からの使用不能との指摘が契機となって廃車した結果であって、このため若干の経済的不利益を被ったとしても、協定どおり手当を支給していること、同人らに担当乗務させる車両がないことからみて、会社の措置は止むを得ないものと認めざるを得ない。
2610 職制上の地位にある者の言動
団交中に部長が組合幹部に金を持って行けば解決してくれる旨発言したことは、組合員らに意識的に動揺を与え組合を混乱させようとしたものでなく、雑談中に話しの成り行きからであり、この程度の発言を直ちに組合に対する支配介入行為とは言えない。
2621 個別的示唆・説得・非難等
3410 職制上の地位にある者の言動
3422 その他の者の言動
社外人が組合員に対して、退職ないし組合脱退を強要したり、組合活動を続ければ報復する等と発言したことは、社外人の当時の言動および証言などからみて、社外人本人の発意でなく、会社役員から依頼があって行ったとみるのが妥当であり、会社はその責を負うべきものと考える。
2620 反組合的言動
3422 その他の者の言動
元会社従業員が組合員に、組合活動に対する報復を示唆したりしたことは、同人の立場での発言とは措信できず、又社外人の言動を考え併せると、会社と同人の間に意思疎通があったと推認できるので、会社はその責を免ることはできない。
3106 その他の行為
3800 行為の結果・その他
組合結成後、組合員3名がチャーター契約をしたことは、会社の強要等、組合が主張する支配介入行為と推認できる事実が認められない以上、組合結成以前と同様に自主的に契約したとみるほかない。
2625 非組合員化の言動
3410 職制上の地位にある者の言動
部長の全車チャーターにしたい旨の発言は、一時金に関する団交中に組合からの質問に対する私案として、業界の状況からみて言ったもので、直ちにこれをもって組合に対する支配介入にあたる言辞とは言えない。
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
チャーター契約制の導入、拡大は、組合結成以前のことであり、会社が組合弱体化の意図をもって実施したとは認められず、単に輸送費軽減のための措置とみるのが相当である。
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業種・規模 |
窯業・土石製品製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集53集73頁 |
評釈等情報 |
 
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