概要情報
事件名 |
中外炉工業 |
事件番号 |
大阪地労委昭和46年(不)第74号
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申立人 |
うつぼ労働組合 |
被申立人 |
中外炉工業 株式会社 |
命令年月日 |
昭和48年12月28日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
組合員の昇進・昇格上の差別扱い, 資格制度に関する団交態度等が問題となった事件で、差別扱いと認められる39名についての措置および団交態度を不当労働行為と判断し、上位資格、役職への昇格・昇進、賃金相当額の支払い、陳謝文の手交を命じ、他は棄却および却下した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、昭和46年1月1日づけで下表記載の者を同表記載の資格、役職に昇格または昇進させるとともに、同人らに対して、同人らがそれぞれの資格、役職に昇格または昇進していたならば得たであろう賃金相当額を支払わなければならない。 X1 主査二級、係長心得 X2 係長心得 X3 技士三級 X4 技士三級 X5 技士三級 X6 主査三級 2 被申立人は、すみやかに下記陳謝文を申立人に手交しなければならない。 記 年 月 日 申立人組合代表者あて 被申立人会社代表者名 当社は、当社がした下記行為が不当労働行為であることを認め、ここに陳謝しますとともに、今後このようなことを繰り返さないことを誓約します。 記 1 昭和46年1月の人事異動において、貴組合員X1氏を昇格昇進させず、同X2氏、同X3氏、同X4氏、同X5氏および同X6氏を昇格させなかったこと 2 昭和46年1月の人事異動に関し、人事が会社の権限であることを理由に、貴組合と誠意をもって団体交渉を行なわなかったこと 3 申立人の組合員X7に関する申立てはこれを却下する。 4 申立人のその他の申立てはこれを棄却する。 |
判定の要旨 |
1200 降格・不昇格
2900 非組合員の優遇
組合員X8の格付けは、経歴の特殊性からみて、昭和29年高卒者グループと比較することに合理性がなく、他に比較すべき適当な対象群も考えられないから、組合員であることによる不利益取扱いであるとする組合の主張は採用できない。
1200 降格・不昇格
能力不足、勤務態度不良等を理由に組合員X1らを昇進させなかったことは、そのことについての具体的事実の指摘がなく、主観的一方的な評価に過ぎず、他方同人らが組合活動を活発に行っていたことからみて、不当労働行為と認めるのが相当である。
2240 説明・説得の程度
資格制度に関する団交に当り、選手手続は人事権の範囲であるとして説明せず、さらに虚偽の発言をするなど、誠意をもってなされた団交とはとうてい認められず不当労働行為に該当する。
5121 挙証・採証
組合員X4の昇格の遅れについて会社は、これを不利益扱いとする組合が、同人が他の者よりすぐれている等の事実を立証すべきであると主張するが、昇格させるか否かは会社が決定するのであるから、会社がX4の昇格できなかった事由を主張・疎明すべきであり、会社主張は認められない。
5200 除斥期間
組合員X7については、申立ての追加をした昭和47年3月27日に救済申立てがあったとみるべきであり、46年人事から明らかに1年以上経過しているので、労組法第27条第2項により救済の対象とすることができない。
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業種・規模 |
窯業・土石製品製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集52集264頁 |
評釈等情報 |
 
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