概要情報
事件名 |
天幸倉業 |
事件番号 |
神奈川地労委昭和48年(不)第7号
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申立人 |
天幸倉業労働組合 |
被申立人 |
天幸倉業 有限会社 |
命令年月日 |
昭和48年12月21日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
組合結成直後、ロックアウトにより組合員の就労を拒否し、業務命令拒否等を理由に組合員全員を解雇し、さらに休業通告をした事件で、すでに解雇撤回、賃金相当額の支払がなされていることから原職への復帰、陳謝文の手交を命じ、他を棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人会社は、申立人組合員X1及び同X2を原職又は原職相当職に復帰させなければならない。 2 被申立人は、申立人に対し下記内容の文書を本命令書交付の日から7日以内に手交しなければならない。 記 天幸倉業有限会社は、貴組合に対し就労を拒否し解雇及び休業通告したことは不当労働行為であったことを認めて陳謝し、今後かかる行為を行なわないことを誓約します。 昭和 年 月 日 天幸倉業労働組合 執行委員長 X1 殿 天幸倉業有限会社 代表取締役 Y1 3 申立人のその余の申立は棄却する。 |
判定の要旨 |
0419 ロックアウトとの関連
1401 労務の受領拒否
3106 その他の行為
会社が、ロックアウトと称し、組合員全員の就労を拒否したことは、組合の争議行為又はこれに類する行為が全く存在しなかったのであるから、組合結成に対する報復としてなされたものとみられ、不当労働行為に該当する。
1102 業務命令違反
組合員の業務命令拒否をもって、就労の意思がないとして組合員全員の解雇を予告し、引続き休業通告したことは、業務命令自体に慣行無視など組合員が受け入れ難いものであったことからみて、組合の壊滅をねらった不当労働行為であると認められる。
1201 支払い遅延・給付差別
組合員である運転手と他従業員との間に昇給、通勤手当、退職金等について相違があることは、職種の相違から組合結成以前より存在していたものであり、不当労働行為には当たらない。
4301 労組法7条3号(支配介入、経費援助)の場合
不当労働行為と判断される就労拒否、解雇について、会社は、解雇の撤回と賃金相当額の支払をしているが、原職又はそれに相当する職へ復帰していない組合員2名にはなお救済の必要性が存在すると認められる。
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業種・規模 |
倉庫業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集52集203頁 |
評釈等情報 |
労働法律旬報 1974年10月10日 866号 83頁 
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