労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  小野田化学 
事件番号  福岡地労委昭和46年(不)第3号 
福岡地労委昭和46年(不)第11号 
申立人  X1他二名 
被申立人  小野田化学工業 株式会社 
被申立人  小野田化学工業 株式会社門司工場 
被申立人  小野田化学工業 株式会社小野田工場 
命令年月日  昭和48年12月 4日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  組合活動の制限、干渉に抗議した組合役員3名の指名ストを、賃金査定、解雇基準に影響する事故欠勤扱いとした事件で、不当労働行為であると判断したが、原状回復の措置が講じられていることから、陳謝文の手交を命じ、他は棄却した。 
命令主文  (1) 被申立人会社は申立人らに対しそれぞれ下記陳謝文を交付しなければならない。
               記
         陳     謝     文
 当社はX1殿が昭和45年2月14日・15日の両日、X2殿およびX3殿がそれぞれ同月16日から28日まで決行した指名ストライキを事故欠勤扱いとし、以って不当労働行為をしたことを陳謝します。
     年   月   日
 各 申 立 人 名
        小野田化学工業株式会社
           代表取締役社長 Y1
        小野田化学工業株式会社門司工場
           取締役工場長  Y2
        小野田化学工業株式会社小野田工場
           工 場 長   Y3
(2) その余の申立は棄却する。 
判定の要旨  0413 ストライキ(含部分・指名スト)
本件指名ストは、労使間の紛争が激化するなかで、組合の短期専従や組合出張の許可申請を従来の限度以上には容認しようとしない会社の態度に対する抗議および要求貫徹する手段として決行したものであり、時間内組合活動の強行を目的としたものとは考えられないので、正当な組合活動である。

0410 目的・手続き
本件指名ストは、組合員全員の無記名投票によりスト権を確立し、さらに、支部代表者会議においてストを含む闘争方針及び戦術が確認されて決行したものであるから、法の要求する要件を具備した適法な争議行為である。

1204 スト・カット
組合役員3名の指名ストによる不就労を事故欠勤扱いとしたことは、事故欠勤がストによる不就労の場合と異なって定期昇給の減額、賞与査定の一基準、および人員整理の際の解雇基準とされることから、組合活動をしたことの故をもって不利益な取扱いをした不当労働行為である。

4301 労組法7条3号(支配介入、経費援助)の場合
申立人等に対する不利益扱いは、その後、会社および組合間に成立した協定およびこの協定に従い会社のした弁済供託により、当初から何らの不利益も存在しなかったと同様な状態に原状回復が行なわれたものと認められるから、金銭的な救済請求権は消滅したものというべきである。

業種・規模  化学工業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集52集138頁 
評釈等情報  労働判例 1974年5月1日  196号 60頁 

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