概要情報
事件名 |
桜井建築設備研究所 |
事件番号 |
大阪地労委昭和48年(不)第59号
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申立人 |
全日本港湾労働組合関西地方本部 |
被申立人 |
株式会社 桜井建築設備研究所 |
命令年月日 |
昭和48年11月20日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
夏季一時金問題について、会社側がゼロ回答に固執したり企業規模の縮少などに組合が協力することを有額回答を用意した団交の開催条件とした事件で、申立てを認容し、団交応諾およびポストノーティスを命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人組合の建設支部桜井分会の昭和48年度夏期一時金要求について、企業規模縮少の実施に協力することなどの前提条件を付することなく、誠意をもって、団体交渉を行なわなければならない。 2 被申立人は、縦1メートル、横2メートルの白色木板に下記のとおり明瞭に墨書して、本社および大阪事務所の各正面入口付近の従業員の見やすい場所に1週間掲示しなければならない。 記 年 月 日 全日本港湾労働組合関西地方本部 執行委員長 X1 殿 同 建設支部桜井分会 分会長 X2 殿 株式会社 桜井建築設備研究所 代表取締役 Y1 当社は、貴組合の昭和48年度夏期一時金要求に関する団体交渉に誠意をもって応じませんでした。 このような行為は、労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為であることを認め、ここに陳謝するとともに、今後このような行為を繰り返さないことを誓約いたします。 以上、大阪府地方労働委員会の命令により掲示します。 |
判定の要旨 |
2244 特定条件の固執
一時金を支給できないほど経理状態が悪化していると認めがたいにもかかわらず、ゼロ回答を変更できないので団交を行なっても無意味であるとしたり、団交に応じた際にも何ら具体的な解決策を掲示せずゼロ回答に固執する会社の態度は、組合を無視するものであり、誠意をもって団交を行なったものとは認められない。
2213 交渉人数
経営再建方針や企業規模縮少の問題は、それ自体が団交で協議されるべき事柄であって、その問題について組合が会社に協力することを一時金に関する有額回答を用意した団交の開催条件とすることが不当であることはいうまでもない。
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業種・規模 |
一般機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集52集85頁 |
評釈等情報 |
労働判例 1974年3月1日 192号 80頁 
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