労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  第一新聞印刷 
事件番号  大阪地労委昭和47年(不)第19号 
申立人  総評全国印刷出版産業労働組合総連合会大阪地方連合会第一新聞印刷労働組合 
被申立人  第一新聞印刷 株式会社 
命令年月日  昭和48年 9月 5日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  会社が経営上の都合を理由に新職制体制を実施し、職制組合員の組合脱退を勧奨し、脱退しない組合員を職制から解雇した事件で、原職復帰、ポストノーティスを命じ他は棄却した。 
命令主文  1 被申立人は、X1、X2およびX3に対し、昭和47年3月15日づけ役職解任がなされなかったものとして取扱い、原職に復帰させなければならない。
2 被申立人は、縦1メートル、横2メートルの白色木板に下記のとおり明瞭に墨書して、被申立人会社正面入口付近の従業員の見やすい場所に、1週間掲示しなければならない。
                記
                       年 月 日
  総評全国印刷出版産業労働組合総連合会
  大阪地方連合会第一新聞印刷労働組合
      執行委員長 X2 殿
            第一新聞印刷株式会社
               代表取締役 Y1
  当社は、貴組合の意向を無視していわゆる新職制体制を実施し、貴組員X1氏、同X2氏および同X3氏の役職を解任し、また、代表取締役が貴組合に対し貴組合からの脱退を勧奨し、あるいは貴組合および上部団体を中傷する発言をしました。
 これらの行為は労働組合法第7条第1号および第3号に該当する不当労働行為であることを認め、ここに陳謝するとともに、今後このような行為を繰り返さないことを誓約します。
 以上、大阪府地方労働委員会の命令により掲示します。
3 申立人のその他の申立ては、これを棄却する。 
判定の要旨  1201 支払い遅延・給付差別
1203 その他給与決定上の取扱い
会社は非組合員である営業部員に対して営業手当を支給し、組合員である一般従業員に対してのみ遅刻について賃金カットを行なっているという組合の主張は、営業手当は打ち切り残業手当の性格を有するものであり、遅刻についての賃金カットは非組合員も控除対象になっているから、採用できない。

1603 組合活動上の不利益
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
会社が、職制を全員解任し、組合員のみを職制に任命しなかったことは、新職制体制を強行し、組合員の範囲についての慣行を破棄したものであり、組合を非難ないしは嫌忌する社長発言を併せ考えれば、組合の弱体化を意図した不当労働行為であると断ぜざる得ない。

2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
社長が、「職制は非組合員になれ」、「組合の姿勢が高い。総評の体質が悪い」などと発言したことは、組合脱退を勧奨し、組合および上部団体を中傷するものであり、不当労働行為といわざるを得ない。

業種・規模  出版・印刷・同関連産業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集51集146頁 
評釈等情報   

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