概要情報
事件名 |
東海糖業 |
事件番号 |
三重地労委昭和47年(不)第4号
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申立人 |
東海糖業労働組合 |
被申立人 |
東海糖業 株式会社 |
命令年月日 |
昭和48年 6月16日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、事務職である組合役員を業務上の必要を理由に現場職へ配転し、これを拒否した同人を自宅待機処分に付した事件で、原職復帰を命じ、損害賠償請求を却下し、他は棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人東海糖業株式会社は、申立人東海糖業労働組合の組合員X1に対して行なった昭和47年4月19日付混合液糖工場への配置転換命令を取り消し、同人を販売部販売課へ就労させなければならない。 2 申立人の被申立人に対する損害賠償請求は、これを却下する。 3 申立人のその余の請求は棄却する。 |
判定の要旨 |
1300 転勤・配転
配転を業務命令により一方的に強行し得るためには、労働契約自体に内在する一定の限界内に限られるべきものと解すべきで、この限界を逸脱したる配転を命じるためには本人の新なる合意を必要とするものであり、合意を得ずして発した本件配転命令は、契約上認められるべき配転の限界を逸脱したものである。
1300 転勤・配転
本件配転は、業務上の必要にもとづいてなしたものとは認められず、従来の慣行に反して文科系大卒者を事務職から現場職へ配転していること、地裁の仮処分決定に抗して就労させないでいること等からみて、同人の組合活動を嫌って事務所から工場へ転出させようと図った不当労働行為である。
1401 労務の受領拒否
被配転者を自宅待機処分としたことは、仮処分決定に従ったものであるというが、同決定は就労請求権を認めない裁判上の通説に従ったまでで、その趣旨は会社の任意履行による就労を期待したものと解すべきであるから、会社の主張は妥当でない。
5005 損害賠償の請求
組合は、本事件に要した諸費用および慰謝料の支払いを求めているが、これら請求は、いずれも不当労働行為の救済制度になじまないものであり、却下する。
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業種・規模 |
食料品製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集50集418頁 |
評釈等情報 |
 
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