概要情報
事件名 |
名鉄運輸 |
事件番号 |
愛知地労委昭和45年(不)第7号
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申立人 |
全国自動車運輸労働組合 |
申立人 |
全国自動車運輸労働組合名鉄運輸支部 |
申立人 |
X1外10名 |
被申立人 |
名鉄運輸 株式会社 |
命令年月日 |
昭和48年 6月 7日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
会社の少数派組合否認による団交拒否、多数派組合とのユ・シ協定に基づく少数派組合員の解雇、路線乗務の差別をめぐる事件で、申立人の主張を認め、原職復帰、バックペイを命じた。 |
命令主文 |
被申立人は、申立人X1、同X2、同X3、同X4、同X5、同X6、同X7、同X8、同X9、同X10および同X11に対する昭和44年12月2日付の解雇を取り消し、同人らを解雇当時の原職に復帰させるとともに、昭和44年12月3日から原職復帰にいたるまでの間に、同人らが受けるべきはずの諸給与相当額を支払わなければならない。 |
判定の要旨 |
1000 ユニオン・ショップ
多数派組合とのユニオン・ショップ協定に基づく少数派組合員全員の解雇は、同協定の効力が少数派組合員にも及ぶとは考えられないこと、また、二組合間の激しい勢力争いの中で会社が一方の組合に偏していたことなどからみて、不当労働行為と認められる。
1302 就業上の差別
2900 非組合員の優遇
会社が、多数派組合員の少数派組合員に対する業務妨害について多数派組合側の責任を追及することなく黙認し、少数派組合員を東京路線乗務から排除し、多大の損失を与えたことは、少数派組合に対する差別的取扱いであるといわざるを得ない。
2110 少数組合
2114 組合の不存在
会社が、組合分裂後の少数組合の存在を否認し、団交を拒否したことは、当該組合が、分裂後大会を開き、組織の存続を確認し、運動方針の決定等独自の活動を開始した時期をもって団結権の保障を受けるに値する組織となっているものと判断されるので、不当労働行為であるといわざるを得ない。
2621 個別的示唆・説得・非難等
3106 その他の行為
会社が、少数派組合員に対し、ユニオン・ショップ協定により解雇せざるをえない旨通告し、身の処し方を再考するよう求めたことは、支部を脱退して別組合に戻らなければ解雇するとの威迫であり、支配介入といわなければならない。
3106 その他の行為
3701 他組合等との関係
会社の中で二つの組合がたがいに対立抗争し、さらに会社が少数派組合をはげしく嫌悪排斥している本件の場合、会社が多数派組合と完全ユニオン・ショップ協定を締結することは、会社に課せられた中立義務に違反し、不当労働行為の疑がある。
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業種・規模 |
道路貨物運送業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集50集376頁 |
評釈等情報 |
 
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