概要情報
事件名 |
細川鉄工所 |
事件番号 |
大阪地労委昭和47年(不)第22号
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申立人 |
日本労働組合総評議会全国金属労働組合大阪地方本部細川鉄工支部 |
被申立人 |
株式会社 細川鉄工所 |
命令年月日 |
昭和48年 5月16日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
46年の賃上げ、一時金については、争議中に発生した諸問題についての会社申入れの全面承認を解決条件とし、47年賃上げについては、上記未解決を理由に団交を拒否し、組合員の役付手当を差別支給した事件で、団交応諾、改訂役付手当の支給、ポスト・ノーティスを命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人は、すみやかに申立人との間で、被申立人が昭和46年7月6日づけ回答書に記載した、いわゆる妥結のための条件を前提とすることなく、昭和46年賃上げ、同年夏季一時金および同年年末一時金に関する団体交渉を行なわなければならない。 2 被申立人は、すみやかに申立人との間で、昭和46年賃上げ問題の解決を条件とすることなく、昭和47年賃上げに関する団体交渉を行なわなければならない。 3 被申立人は、X1に対し、昭和46年2月21日以降は 2,000円の昭和47年2月21日以降は 2,500円の役付手当を支給しなければならない。ただし、すでに役付手当として支給した金員は除く。 4 被申立人は、縦1メートル以上、横2メートル以上の白色木板に、下記のとおり明瞭に墨書して、すみやかに会社本社事務所の従業員の見やすい場所に1週間掲示しなければならない。 記 年 月 日 日本労働組合総評議会 全国金属労働組合大阪地方本部 細川鉄工支部 執行委員長 X2殿 株式会社 細川鉄工所 代表取締役 Y1 当社は、下記の行為を行ないましたが、これらの行為は、労働組合法第7条第1号、第2号および第3号に該当する不当労働行為であることを認めここに陳謝するとともに、今後このような行為を繰り返さないことを誓約します。 記 1 貴組合の昭和46年賃上げ、同年夏期一時金、同年年末一時金および昭和47年賃上げに関する要求に対し、不当な前提条件を付し団体交渉を拒否したこと。 2 貴組合書記長X1氏に対し、役付手当を賃金規定どおりに支給しなかったこと 以上、大阪府地方労働委員会の命令により掲示します。 |
判定の要旨 |
1201 支払い遅延・給付差別
2901 組合無視
X1にのみ改訂された役付手当規定の適用を除外することには何ら合理的な理由が認められず、結局、46年賃上げ交渉以後の組合に対する会社の姿勢をもあわせ考えれば、会社の措置は、組合での唯一人の役職者であるX1に不利益を与え、ひいては組合組織の弱体化を企図した不当労働行為である。
2244 特定条件の固執
会社が46年賃上げ、一時金の団交に際し、ガードマンの導入など、争議中に発生した諸問題の解決策の承認を賃上げ実施の条件としたことは、別件で当委員会が判断したとおり不当であるから、かかる条件を固執したことにより団交が開かれなかったことは実質的な団交拒否と判断せざるを得ない。
2253 受取り拒否・申入れなし
46年賃上げが未解決であっても47年の賃上げ額は決定し得るものであるから、会社は組合からの団体交渉に応ずべき義務があるというべく、これを拒否した会社の態度は、不当労働行為と判断せざるを得ない。
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業種・規模 |
一般機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集50集267頁 |
評釈等情報 |
 
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