労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  福井新聞社 
事件番号  福井地労委昭和47年(不)第1号 
申立人  日本新聞労働組合連合北信越地方連合会 
申立人  X1 
申立人  福井新聞労働組合 
被申立人  株式会社 福井新聞社 
命令年月日  昭和48年 3月24日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  組合員の配転および同人に対する非組合員の暴行脅迫行為をめぐる事件で、非組合員の行為を使用者の意によるものとして支配介入の禁止、陳謝文の手交を命じ、他は棄却した。 
命令主文  1 被申立人は職制らをして、申立人福井新聞労働組合の組合員に対し、暴行脅迫等により、申立人組合の運営に支配介入してはならない。
2 被申立人は申立人X1ならびに福井新聞労働組合に、本命令交付の日から10日以内に下記文書をそれぞれ手交しなければならない。
               記
            陳  謝  文
 当会社が会社職制らをして、貴組合員X1氏に対し暴行脅迫を行ない、貴組合の運営に支配介入したことを認め、陳謝するとともに今後かかる行為を繰返さないことを誓約します。
 昭和48年 月 日
  福井新聞労働組合
   執行委員長 X2 殿
  同
   組 合 員 X1 殿
                株式会社 福井新聞社
                  代表取締役 Y1
3 申立人のその余の申立てはこれを棄却する。 
判定の要旨  1300 転勤・配転
1604 その他
配転についての協定は、協定成立までの経緯、慣例的な裏協定を締結していないこと等からみて、1.2ヵ月して原職へ戻すという意味であったとは認められず、協定不履行という点で不当労働行為であるという申立ては棄却せざるを得ない。

2611 その他の従業員の言動
2700 威嚇・暴力行為
3411 その他の従業員の言動
副部長と意を通じてなされた社員X3の組合員に対する暴行脅迫行為は、使用者においてその責を負うべきものと考えられるので、労組法第7条第3号に該当する不当労働行為であるとみるほかない。

3410 職制上の地位にある者の言動
職制機構の末端にいる監督的被用者の反組合的行為は、職制機構の一環としての地位における行為、またはその地位を利用しての行為である限り、使用者の支配圏内におけるものとして、労組法第7条で禁止の対象となっている使用者の行為に含まれるものというべきである。

2700 威嚇・暴力行為
3410 職制上の地位にある者の言動
3411 その他の従業員の言動
社員X3が組合員に対し暴行脅迫を加えた行為は、同行為が副部長の眼前で行われたにもかかわらず制止していないこと、同行為について会社が何らの処置もしていないこと等からみて、副部長とNが意を通じて行われたものと推認するに難くない。

4301 労組法7条3号(支配介入、経費援助)の場合
組合員X1の配転については、会社、組合間において同人の処遇に関する協定が成立しているから、これが有効に存する限り、配転問題は一旦解決したとみるべきであり、本件申立ては認めることができない。

4837 結成または加入の行為
被配転者が配転辞令を受けた後に加入した組合の当該配転についての救済申立ては、同人が本件申立時は組合の組合員であり、本件救済により組合員拡大の可能性があること、しかも、現に同人の配転問題について団交が行なわれていることからみて被救済利益が存し、適法である。

5008 その他
慰謝料の支払いを求める請求は、原状回復を目的とする不当労働行為制度の趣旨からみて救済命令の範囲を逸脱したものというべきである。

業種・規模  出版・印刷・同関連産業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集49集170頁 
評釈等情報   

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