労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  親和交通 
事件番号  東京地労委昭和46年(不)第44号 
申立人  東京自動車交通労働組合 
被申立人  親和交通 株式会社 
命令年月日  昭和48年 2月20日 
命令区分  全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) 
重要度   
事件概要  組合公然化前のビラ貼付、始末書提出拒否等を理由とする組合結成中心人物2名の解雇、団交拒否、組合結成大会の妨害等をめぐる事件で、原職復帰、バックペイ、団交応諾、支配介入の禁止、ポストノーティスを命じた。 
命令主文  1 被申立人親和交通株式会社は、申立人東京自動車交通労働組合の組合員X1ならびに同X2を原職に復帰させ、解雇した翌日から原職に復帰するまでの間に同人らが受けるはずであった賃金相当額を支払わなければならない。
2 被申立人は、申立人組合ならびに東京自動車交通労働組合親和交通分会が昭和46年6月25日付内容証明郵便で申し入れた組合事務所および同掲示板の貸与についての団体交渉に応じなければならない。
3 被申立人は、東京自動車交通労働組合親和交通分会の分会員に対して組合からの脱退を強要し、また、分会のビラの内容に藉口して処分をほのめかし、分会員を中傷、誹謗し、従業員の組合加入を妨げてはならない。
4 被申立人は、縦80センチメートル、横 120センチメートルの木板に下記とおり楷書で墨書し、本命令書交付の日から5日以内の、会社内の従業員の見易い場所に掲示しなければならない。その掲示期間は10日間とする。
              記
 当社が、貴組合員X1ならびにX2を懲戒解雇したこと、貴組合および分会よりの昭和46年6月25日付の団体交渉申し入れに応じなかったこと、また組合結成を妨害し、組合への加入を阻止したことは、東京都地方労働委員会において、不当労働行為であると認定されました。
 今後このようなことのないように留意します。
   昭和 年 月 日
            親和交通株式会社
               代表取締役 Y1
   東京自動車交通労働組合
       執行委員長 X3 殿
   東京自動車交通労働組合西部支部親和交通分会
       分会長 X4 殿
   (注、年月日は、文書を掲示する日を記載すること。)
5 被申立人は、前記第1、第2および第4項を履行したときは、履行状況を文書で、速やかに当委員会に報告しなければならない。 
判定の要旨  0201 就業時間中の組合活動(含職場離脱)
0411 怠業
0700 職場規律違反
会社は、組合結成の中心人物2名の解雇理由として、無断職場集会の開催とこれに対する中止命令不服従をあげるが、数年来行なわれていた明番者の集会であるから、中止を命じたこと自体納得し難く、同人らの組合結成活動を嫌っていた言動からみて、不当労働行為と判断される。

0122 サークル活動
0200 宣伝活動
0423 支援団体の行為に対する責任
3700 使用者の認識・嫌悪
組合結成の中心人物2名の解雇理由として不穏当なビラの貼付をあげているが、互助会として行なったもので、その後同会の全役員が陳謝していること、互助会が組合として性格を強め、会社がこれを嫌っていたと認められることなどからみて、同人らの実質的な組合活動を嫌って解雇したものと判断される。

2114 組合の不存在
会社が、分会の存在を知らなかったとして団交を拒否したことは、団交申し入れが内容証明郵便でなされていること、および所長の組合否認の発言からみて正当な理由のない団交拒否である。

2610 職制上の地位にある者の言動
会社が、明番集会の開催を中止させようとしたのは、組合結成の動きが具体化するのを嫌っていたからだと認められ、同日の組合結成を目的とした明番集会での所長の発言は、その時期、内容からして組合結成を嫌ってなした支配介入行為である。

2610 職制上の地位にある者の言動
2622 組合員調査
朝礼において社長が、誰が組合に加入したか知りたいなどと発言したことなどは、すべて組合の勢力が拡大することをおそれ従業員の組合加入を妨げる目的でなしたか、または分会の存在ないし活動を嫌ってなしたものと判断される。

業種・規模  道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) 
掲載文献  不当労働行為事件命令集49集121頁 
評釈等情報   

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