概要情報
事件名 |
丸善ミシン |
事件番号 |
大阪地労委昭和45年(不)第22号
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申立人 |
日本労働組合総評議会全国金属労働組合大阪地方本部丸善ミシン支部 |
被申立人 |
丸善ミシン 株式会社 |
命令年月日 |
昭和48年 1月23日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
春闘の際の組合旗の掲揚、ベルトコンベアラインの編成等をめぐる事件で、ポストノーティスを命じ、他は棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、縦1メートル、横2メートルの白色木板に、下記のとおり明瞭に墨書して、被申立人会社本社正門付近の従業員の見やすい場所に1週間掲示しなければならない。 記 年 月 日 日本労働組合総評議会 全国金属労働組合大阪地方本部 丸善ミシン支部 委員長 X1 殿 丸善ミシン株式会社 代表取締役 Y1 当社は、昭和45年の春闘に際して、貴組合が掲揚した組合旗を正当な理由なく撤去し、貴組合の活動を阻害いたしました。 このことは、労働組合法第7条第3号に該当する不当労働行為であることを認め、深く陳謝いたしますとともに、今後このようなことを繰り返さないことを誓約いたします。 以上、大阪府地方労働委員会の命令により掲示します。 2 申立人のその他の申立ては、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
0200 宣伝活動
争議の際に相当数の組合旗を掲揚することは組合活動上不可欠の手段というべきであり、今回の春闘における組合旗掲揚状況をみると、他の多くの労使紛争の事例と比べても特異なものとはいえず、相当の範囲を逸脱しているとは認め難い。
0419 ロックアウトとの関連
春闘に際して会社が行なった5回にわたるロックアウトは、いずれも企業経営上やむを得ない防禦的な範囲を出なかったというべきであり、これを不当労働行為であるとして救済を求める組合の申立ては容認できない。
3020 組合活動への制約
会社正門附近での組合旗掲揚は正統な組合活動の範囲にあると認められるにもかかわらず、協定内容の一方的解釈のもとに組合旗を引きおろし、金庫に保管したことは、組合の権利を無視し、施設管理権のみを絶対視した行為であり、不当労働行為であると判断せざるを得ない。
3102 争議対抗手段
組合の争議行為中に行なわれた製造工程のライン編成は、ベルトコンベアー方式による組立作業である関係から、ストによる損失を最小限に食い止めるため経営上の要請に基づき採用されたもので、組合の弱体化を企図した攻撃的なものとは認められない。
4820 単一組織の支部・分会等
会社は、組合の同盟罷業開始に関する規約が労組法の定める規約要件を欠き、不当労働行為の救済を申し立てる当事業者適格がないと主張するが、組合規約は労組法の要件を充足しており、会社の主張は採用できない。
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業種・規模 |
電気機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集49集36頁 |
評釈等情報 |
 
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