概要情報
事件名 |
西岡貞 |
事件番号 |
大阪地労委昭和47年(不)第16号
|
申立人 |
総評全国一般大阪地連西岡貞労働組合 |
被申立人 |
西岡貞 株式会社 |
命令年月日 |
昭和47年12月27日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
|
事件概要 |
年末一時金考課査定、臨時昇給の組合間差別をめぐる事件で、考課の再査定および臨時昇給の実施によって算出した年末一時金と既支給の年末一時金との差額の支払を命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人は、理由中の第3表に記載の28名中X1およびX2を除く申立人組合の組合員26名に対し、昭和46年年末一時金のうち成績考課分の金額を下記の方法によって是正し、すでに支払った金額との差額を支払わなければならない。 記 (1) 各人に対する査定点数については、 (1) 理由中の第3表に記載の28名の平均査定点数は、70.13 点を下回らないこと (2) 修正後の査定点数は、57点から80点の範囲内であること (3) 修正後の査定点数は、修正前より下回らないことの条件のもとに修正すること (2) 上記(1)による修正後の各人の査定点数に対応する支給率は、理由中の第3表に記載された支給率(記載のない部分については、査定点数が1点増すごとに支給率は0.05カ月増加するものとする)に0.05カ月加えたものとすること。 (3) 金額算出の基礎となる基準給額は、同年9月に実施すべき臨時昇給額を含まないものとすること 2 被申立人は、申立人組合の前記26名の組合員に対し、前期1による是正後の昭和46年年末一時金について、下記のとおり取り扱わなければならない。 記 (1) 金額算出の基礎となる基準給額は、同年9月に実施すべき臨時昇給額を含んだものとすること (2) 組合員に対し、臨時昇給を実施したときは、上記(1)のとおりにすることによって年末一時金に生ずる差額をそれぞれ支払うこと 3 被申立人は縦1メートル、横2メートルの白色木板に下記のとおり明瞭に墨書して、被申立人会社食堂の従業員の見やすい場所に1週間掲示しなければならない。 記 年 月 日 総評全国一般大阪地連西岡貞労働組合 執行委員長 X3 殿 西岡貞株式会社 代表取締役 Y1 当社は、昭和46年年末一時金の支給に関して、貴組合の弱体化をはかるため、貴組合員に対し不利益な取り扱いをしました。 このようなことは、労働組合法第7条第1号および第3号に該当する不当労働行為であることを認め、ここに陳謝するとともに、今後このような行為を繰り返さないことを誓約します。 以上、大阪府地方労働委員会の命令により掲示します。 4 申立人のその他の申立は、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
1202 考課査定による差別
申立て組合員の年末一時金の考課査定が低い理由として、会社は同人らの勤務態度による旨主張するが、同様な勤務態度の別組合員に比して同人らが低く評価されていること、査定項目が客観的妥当性を欠くことからみて、申立て組合員を不利益に取扱ったものと認めざるを得ない。
4302 組合員資格喪失者(含組合脱退・死亡)
組合は、組合員28名全員の救済を求めているが、X1はすでに死亡しており、X2は別組合に加入していて、審問結審時には組合員ではないので、同人らに対する金銭的な救済は必要と認めない。
4302 組合員資格喪失者(含組合脱退・死亡)
会社は、会社を退職している10名は組合員であるはずがないと主張するが、組合は、退職者10名は現在も組合員であると述べており、また、組合規約上も同人らが組合員であってもよいとなっていることからみて、会社の主張は採用できない。
4413 給与上の不利益の場合
年末一時金差別の是正方法としては、組合員の平均査定点数を別組合員の平均査定点数まで引上げること、組合員の査定点数は別組合員の査定点数の範囲内で修正すること、修正に当っては従前の査定点数を下回らないこと、を命ずるのが妥当と判断する。
4407 バックペイの支払い方法
年末一時金の基礎給は、さきに当委員会が実施すべき旨を命じた臨時昇給を行なったうえのものでなければならないところ、会社がこれを実施していないので、これを実施して得た基礎給によって年末一時金を算出し、既支給の年末一時金との差額を支払うことを命ずるのが妥当と考える。
|
業種・規模 |
卸売業、小売業、飲食店 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集48集328頁 |
評釈等情報 |
 
|