労働委員会命令データベース

[命令一覧に戻る]
概要情報
事件名  大阪交通学園 
事件番号  大阪地労委昭和46年(不)第57号 
大阪地労委昭和46年(不)第66号 
申立人  大阪交通学園本部職員組合 
被申立人  学校法人 大阪交通学園 
命令年月日  昭和47年11月17日 
命令区分  全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) 
重要度   
事件概要  企画室閉鎖を理由に委員長ら組合活動家4名を解雇し、同人らの解雇に関する団交を拒否した事件で、原職復帰、バックペイ団交に関する不作為命令、ポスト・ノーティスを命じた。 
命令主文  1 被申立人は、X1、X2、X3およびX4に対して、次の措置を含め、昭和46年10月2日づけの解雇がなされなかったものとして取扱わなければならない。
(1) 事務職員として就労させること。
(2) 解雇の日から就労させるまでの間に受けるはずであった賃金相当額を支払うこと。
2 被申立人は、申立人の代表者が被解雇者であることを理由に申立人との団体交渉を拒否してはならない。
3 被申立人は、縦2メートル、横1メートルの白色木板に下記のとおり明瞭に墨書して、被申立人学園事務局内の従業員の見やすい場所に1週間掲示しなければならない。
                記
                       年 月 日
 大阪交通学園本部職員組合
     執行委員長 X1 殿
             学校法人 大阪交通学園
                 理事長 Y1
 当学園は、X1氏、X2氏、X3氏およびX4氏を解雇し、貴組合の団体交渉申入れに応じず、また貴組合の学園構内での情宣活動を妨害しましたが、これらの行為は労働組合法第7条第1号、第2号および第3号に該当する不当労働行為であることを認め、ここに陳謝するとともに、今後このような行為を繰返さないことを誓約します。
 以上、大阪府地方労働委員会の命令によって掲示します。 
判定の要旨  1800 会社解散・事業閉鎖
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
組合活動家4名の解雇理由が明確でなく、一方、組合が学園民主化、労働条件の維持改善の障害となるY2の学園復帰に終始反対していたことからみて、Y2が学園復帰を機会に組合組織の弱体化を企図して、企画室閉鎖を理由に同人らを解雇したと判断せざるを得ない。

2122 非組合員
学園は、解雇により組合員資格を失ったX1を委員長とする組合との団交には応ずる義務はない旨主張するが、現在組合がX1の解雇の当否につき使用者と争っている事実から判断すると、X1が組合員資格を失ったとの主張は失当であり、正当な理由なく団交を拒否したものと認めざるを得ない。

2620 反組合的言動
解雇の当不当を使用者と争っている被解雇者が、解雇の不当性を情宣するのは正当な組合活動であり、これに対し、学園が被解雇者は組合員資格がなく、配布ビラの内容が虚偽であるとして、組合に警告書を送付した行為は、組合の活動を妨害する意図をもってなした支配介入といわざるを得ない。

4825 その他
学園は、申立て組合が学園経営権の奪取をめぐる抗争組織であって、組合規約が法の規定する要件を欠いているし、かつ、使用者の利益を代表する者を加入させているから、申立人適格を有せず、申立てを却下すべき旨主張するが、審査の過程で認定した事実によれば、これらの主張はいずれも認められない。

業種・規模  教育(自動車教習所を含む) 
掲載文献  不当労働行為事件命令集48集97頁 
評釈等情報  労働判例 1973. 2 .15   166号 63頁 

[先頭に戻る]