概要情報
事件名 |
泉州銀行 |
事件番号 |
大阪地労委昭和45年(不)第39号
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申立人 |
泉州銀行従業員組合 |
被申立人 |
株式会社 泉州銀行 |
命令年月日 |
昭和47年 9月22日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
銀行が、執行委員長X1を第二組合員Z1に対する暴力行為を理由に解雇し、組合旗および立看板を無断撤去した事件でX1の原職復帰、バックペイおよびポスト・ノーティスを命じた。 |
命令主文 |
1. 被申立人は、X1に対し、次の措置を含め、昭和44年6月16日以降、同人が解雇されなかったと同様の状態に回復させなければならない。 (1) 原職に復帰させること (2) 解雇の日から原職復帰の日までの間、同人が受けるはずであった賃金相当額を支払うこと 2. 被申立人は、縦1メートル,横2メートルの白色木板に下記のとおり明瞭に墨書して、本店および高石支店の従業員の出入口付近の見やすい場所に一週間掲示しなければならない。 記 年 月 日 泉州銀行従業員組合 執行委員長 X1 殿 株式会社 泉州銀行 代表取締役頭取 Y1 当株式会社泉州銀行は、貴組合執行委員長X1氏を昭和44年6月16日づけで解雇し、また同氏の解雇に抗議して3回にわたり当銀行本店前に立てられた貴組合の組合旗および立看板を無断で撤去しましたが、これらの行為は、労働組合法第7条第1号および第3号に該当する不当労働行為であることを認め、ここに深く陳謝いたしますとともに、今後このようなことを繰り返さないことを誓約いたします。 以上、大阪府地方労働委員会の命令により掲示します。 |
判定の要旨 |
0600 暴力行為
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
銀行が、組合執行委員長X1を解雇したのは、同人が、第2組合員Z1のポスター破りや、挑発的言辞に憤激して、Z1にある程度の有形力を行使した行動を奇貨として、同人を一挙に銀行から排除し、組合組織を弱体化しようと企図してなされたものと認められるから、不利益取扱い及び支配介入といわざるを得ない。
3020 組合活動への制約
組合旗および立看板を、一方的に撤去したのは、建物の美観をそこない、銀行の信用を傷つけたと主張するが、組合の行為は、正当な組合活動の範囲を超えているとはいえず、かえって、銀行の行為は、正当な組合活動を抑圧するものであって組合に対する支配介入といわざるを得ない。
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業種・規模 |
金融業、保険業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集47集372頁 |
評釈等情報 |
労働判例 1972.12. 1 161号 74頁 
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