概要情報
事件名 |
埼新印刷 |
事件番号 |
埼玉地労委昭和46年(不)第10号
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申立人 |
埼玉新聞労働組合 |
申立人 |
X1 外4名 |
申立人 |
日本新聞労働組合連合 |
被申立人 |
埼新印刷 株式会社 |
命令年月日 |
昭和47年 9月 8日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
期末手当、昇給査定における組合活動家に対する低査定、役職手当の支給および団交における使用者の態度をめぐる事件で、査定における差別扱いを認め、再査定と差額支払いを命じ、他は棄却した。 |
命令主文 |
1. 被申立人は、申立人X2、同X3に対する昭和46年度昇給につき再査定のうえ、同年4月分以降の諸給与(同年夏期一時金、同年末一時金を含む。)の差額金を支払わなければならない。ただし、再査定にあたっては、労働協約による平均査定額を下回ってならない。 2. 被申立人は、申立人X1、同X2、同X3、同X4に対する昭和46年度夏期一時金につき再査定のうえ、差額金を支払わなければならない。ただし、再査定にあたっては、労働協約による平均査定額を下回ってはならない。 3. 被申立人は、申立人X3、同X4に対する昭和46年度年末一時金につき再査定のうえ、差額金を支払わなければならない。ただし、再査定にあたっては、労働協約による平均査定額を下回ってはならない。 4. 申立人らのその余の申立ては棄却する。 |
判定の要旨 |
1202 考課査定による差別
極めて低位に昇給査定をしたことについては何ら具体的根拠がないから、組合活動を理由として不利益扱いしたものと断ぜざるを得ない。
1201 支払い遅延・給付差別
申立人X5に対する格差補正給が平均額より極めて低額であることは明白であるが、同人とほぼ同格である非組合員も平均額より低額であることからみて、組合員であることを理由として不利益扱いをしたものと認めることはできない。
1202 考課査定による差別
申立て組合員に対する一時金の査定が、労働協約で定められた平均額よりいずれも低いことについて、何らの疎明もしない以上、組合活動の故と断ぜざるを得ない。
2240 説明・説得の程度
申立人は、団交において個別支給額を提示しなかったことをもって、不誠意としているが、被申立人は常に団交に応じ、労働協約が成立しているのであるから、申立人らの主張は認めることはできない。
5201 継続する行為
〔判定事項52〕昇給は毎年行なわれ、その年度毎の労働協約が締結されて実施して来たのであるから、各年度毎に昇給行為は終わっており、本件申立ての時点において1年を経過した昇給については労組法27条2項および労働委員会規則34条3号の規定により、救済申立てを受付けることはできず、審査の対象とすることはできない。
5008 その他
〔判定事項50〕(2) 課長職の職位に補することを命ずるのは会社の有する人事権に不当に介入することであり、労働委員会の権限を超えるものである。
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業種・規模 |
出版・印刷・同関連産業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集47集323頁 |
評釈等情報 |
 
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