概要情報
事件名 |
石田組 |
事件番号 |
熊本地労委昭和45年(不)第7号
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申立人 |
石田組労働組合 |
被申立人 |
有限会社 石田組 |
命令年月日 |
昭和47年 8月 7日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、組合に加入した者を呼び出し、動機や仕事への支障の有無を尋ね、脱退を慫慂した事件で、組合脱退慫慂に対する陳謝文の手交を命じた。 |
命令主文 |
被申立人は、申立人に対し下記文書を手交しなければならない。 記 当会社は、貴組合の組合員X1、X2の両名が貴組合に加入した際、両名を社長室に呼び貴組合から脱退するよう慫慂いたしました。 かかる行為は労働組合法第7条第3号に該当する不当労働行為でありここに深く陳謝いたします。 |
判定の要旨 |
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
3410 職制上の地位にある者の言動
組合加入者2名を社長室に呼び、社長、職制のなした一連の言動は、単に事実の確認、仕事への支障の有無を尋問するにとどまらず組合脱退を慫慂した言動であり、仮りに後日説得を重ねなかったという事実があるとしても、当該慫慂行為は不当労働行為である。
4820 単一組織の支部・分会等
会社は、申立て組合は使用者の利益代表者である現場責任者の加入を許す不適法組合であるというが、同人らの職務内容は、機械的技術的なもので、過去に団交に出席したこともあるが、実情説明程度の役割りを果したに過ぎないから、これらをもって、使用者の利益代表者とは認められない。
4820 単一組織の支部・分会等
申立人組合の無言戦術は、組合の団結強化のためにとられた合法な手段だが、仮りに不当、違法なものであるとしても、単にそのことだけをもって労組法2条本文にいう「労働組合」ではなくなるとするのは失当で、同組合は被救済資格を失わない。
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業種・規模 |
建設業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集47集168頁 |
評釈等情報 |
 
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