概要情報
事件名 |
北辰電機製作所 |
事件番号 |
東京地労委昭和46年(不)第52号
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申立人 |
総評全国金属労働組合東京地方本部 |
申立人 |
総評全国金属労働組合 |
申立人 |
X1 外4名 |
被申立人 |
株式会社 北辰電機製作所 |
命令年月日 |
昭和47年 6月20日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が申立人組合の役員の入構を拒否し、その参加する団交を拒否し、組合の方針を批判するビラを配布、掲示した事件で、合理的理由のない入構阻止、団交拒否の禁止を命じ、ビラ配布等による支配介入の禁止を命じた。 |
命令主文 |
1. 被申立人株式会社北辰電機製作所は、申立人総評全国金属労働組合および同総評全国金属労働組合東京地方本部を非難、中傷するような文書を配布・掲示するなどの方法によって申立人組合の運営に支配介入してはならない。 2. 被申立人会社は、申立人組合の北辰支部から団体交渉の申し入れがあった場合、申立人組合の役員が交渉委員になっていることを理由として交渉を拒否してはならない。 3. 被申立人会社は、申立人組合の組合員で会社に雇用されている者が、休憩時間中会社構内において集会をひらく場合、これに申立人組合の役員(常任書記を含む)が参加することを合理的な理由なしに阻止してはならない。 4. その余の申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
2123 その他交渉出席者
団交において、組合側の交渉委員を誰にするかは組合が自主的に決定すべき事項であって、会社側が、上部団体役員の出席を理由に団交を拒否するのは、たとえ過去にそういう例がなかったとしても、原則として正当理由ありとはいえない。
2620 反組合的言動
会社が、組合役員の選挙運動に関して、「反会社的宣伝」「故なき会社への誹謗」の禁止を組合に申し入れ同趣旨の文書の掲示を行なったことは、候補者の公報の内容に妥当を欠くことがあったこと、又、当時の労使事情等からみて不当労働行為とはいえない。
2620 反組合的言動
3500 処分の時期
会社配布のビラは、その内容において穏当を欠き、時期において、組合内に対立状況の著しい時期であり、又、結果において、労使関係に与えた影響等から判断して、執行部批判派への支援を意図したものと判断するほかない。
3020 組合活動への制約
上部組合役員の入構禁止の措置は、入構していても業務に支障を及ぼすようなことがないなど、禁止理由に妥当性がなく、又、当時、会社が上部団体と支部との切り離し行為をしていたことなどから考えると、施設管理権に名を借りた不当労働行為であると判断される。
4603 その他
上部団体役員の入構禁止の不当労働行為の救済方法としては、入構者を役員(常任書記も含む)に限定し、又、拒否に合理的理由のあるときは除くことが妥当である。
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業種・規模 |
電気機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集46集526頁 |
評釈等情報 |
労働判例 1972.11. 1 159号 62頁 
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