概要情報
事件名 |
城南タクシー |
事件番号 |
愛媛地労委昭和46年(不)第3号
|
申立人 |
全国自動車交通労働組合連合会愛媛地方本部 |
被申立人 |
有限会社 城南タクシー |
命令年月日 |
昭和47年 6月 9日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
|
事件概要 |
会社が、複数組合が存在する下で、申立人組合とのユ・シ協定を履行せず、対立組合の歓送迎会に便宜供与をはかり、新入社員を対立組合に加入するよう働きかけた事件で、陳謝文の交付を命じ、その他は棄却した。 |
命令主文 |
1. 被申立人会社は、申立人組合に対し下記文書を交付すること。 記 陳 謝 文 会社は、昭和46年9月25日、城南タクシー企業内組合が送迎会を開催するにあたり場所提供等の援助をなし、また、全自交・愛媛地方本部との団体交渉のなかで企業内組合の育成につながる言動をしましたが、これは貴組合の組織に動揺を与えた支配介入となる不当労働行為でありましたので、ここに深く陳謝し、今後はかかる行為をくりかえさないことを約束します。 昭和 年 月 日 全自交労連・愛媛地方本部 執行委員長 X1 殿 有限会社 城南タクシー 代表取締役 Y1 2. 被申立人会社は、前項の文書の交付につき、この命令書を受けた日から10日以内に履行し、その履行状況を遅滞なく当委員会に報告すること。 3. 申立人のその余の請求はこれを棄却する。 |
判定の要旨 |
2500 別組合の結成・援助
別組合結成について、その中心人物と社長とが個人的に親しい間柄であるといって、それだけで、会社が働きかけて行なったものとは認定できない。
2801 団体運営に関する補助金支給
別組合について、委員長が会社役員と親しいこと、組合活動にみるべきものがないこと、組合員加入に会社の態度が影響した等の事実があったとしても、自主性、民主性を損なっているとの明確な資料がないので、御用組合と断定することはできない。
2610 職制上の地位にある者の言動
3103 労働協約締結をめぐる行為
3410 職制上の地位にある者の言動
団交の席上、会社側が効力なき別組合とのユ・シ協定を理由に申立組合とのユ・シ協定の効力を否定する趣旨の発言を行なったことは、新入社員の別組合への加入を期待してなされた支配介入である。
2803 その他
別組合主催の歓送迎会は、会社専務宅で、かつ同人出席の下で行なわれ、勤務中の従業員の参加を許し、費用も会社負担であり、又、席上、新入社員に別組合への加入勧誘がなされるなどの事情からみて、会社が別組合を優遇し、その育成を狙った行為であると認められる。
5008 その他
複数組合が存在する下で、新規採用者がいずれの組合に加入するかは、自由な選択の下にあるというべく、ユ・シ協定を理由に、申立組合に新規採用者を加入せしめるという救済はできないと解する。
|
業種・規模 |
道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集46集520頁 |
評釈等情報 |
 
|