労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  大分タクシー 
事件番号  大分地労委昭和44年(不)第6号 
申立人  大分タクシー労働組合 
被申立人  大分タクシー 株式会社 
命令年月日  昭和47年 4月27日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  ストライキ中就労した別組員らに臨時賃金を支給し、また、賞与額算出にあたり申立人組合員を不利益取扱いした事件で、申立人組合員への臨時賃金支給を命じ、他は棄却した。 
命令主文  1. 被申立人は、申立組合の組合員中、ストライキに参加した者に対し、一律 2,000円を支給しなければならない。
2. 申立人のその余の申立てはこれを棄却する。 
判定の要旨  1205 別組合員に対する特別手当の支給
 新労の要求とはいえ、会社が協定や就業規則に基づかない臨時賃金 2,000円をストライキに参加しなかった新労組員らに支給した行為は、申立人組合の争議行為を嫌悪した会社が、申立人組合員とスト不参加者を差別することで、申立人組合の活動を抑圧せんとしてなした不当労働行為である。

1204 スト・カット
 賞与の算定にあたり、会社がストライキ期間は労務の提供がなかったとして、労務不提供の範囲において賞与を減額控除しても、過去の労使慣行、協定、慣例に反しない限り、このことをもって直ちに不当労働行為が成立するとはいえない。

1202 考課査定による差別
2901 組合無視
 賞与の算定にあたり、基礎となる平均賃金から有給休暇の保障賃金を控除したとしても、これが労使間で成立した協定に基づくものであり、また、これによって新労組員との間に差別が生じたわけでもないことからみると、不当労働行為が成立するとは認められない。

4419 現存格差を一挙に是正した例
4603 その他
 新労組員らストライキ不参加者に 2,000円を支給したことが、申立組合員に対する差別扱いである以上、これの是正方法としては、ストライキに参加した申立組合員にも一律に 2,000円支給することを命ずるのが妥当である。

業種・規模  道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) 
掲載文献  不当労働行為事件命令集46集455頁 
評釈等情報  労働経済判例速報 昭和47年10月30日  794号(23巻29号) 18頁 
労働判例 1972.10. 1  157号 70頁 

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