概要情報
事件名 |
新興出版社 |
事件番号 |
東京地労委昭和44年(不)第51号
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申立人 |
新興出版労働組合 |
被申立人 |
株式会社 新興出版社 |
命令年月日 |
昭和47年 4月18日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
夏期休暇未届、社長誹謗のステッカー貼付、経営難等を理由に組合員を解雇した事件で、企業が倒産しているところから解雇から被解雇者が退職を申出た日までのバックペイと陳謝文の送付を命じた。 |
命令主文 |
1. 被申立人株式会社新興出版社は、申立人新興出版労働組合の組合員X1については昭和43年9月14日から、X2、X3については同年10月 8日から、およびX4については同年9月16日から、いずれも同年10月25日まで引き続き就労していたものとして取扱い、かつ、その間に同人らがうけるはずであった給与相当額を支払わなければならない。 2. 被申立人会社は、申立人組合に対して、下記の文書を書留配達証明郵便で送付しなければならない。 記 当社が、貴組合員X1、X2、X3およびX4に対して行なった解雇は、東京都地方労働委員会において不当労働行為であると認定されました。今後このようなことのないよう留意いたします。 昭和 年 月 日 株式会社 新興出版社 代表取締役 Y1 新興出版労働組合 執行委員長 X2 殿 (注、年月日は、文書を差し出す日を記載すること。) 3. 被申立人会社は、本命令の交付をうけた後5日以内に前項の命令の履行状況を文書で当委員会に報告しなければならない。 |
判定の要旨 |
0208 暴力・不穏当な言動を伴った組合活動
X4が貼付した社長誹謗のステッカーに、不穏当な表現があり、貼付場所が不適当であったとしても、これらの行為が、社長の組合に対する不誠意な態度に起因したものである以上、これを理由とする解雇は不当労働行為と認めるのが相当である。
0500 勤務成績不良
0700 職場規律違反
従来から夏期休暇の届出が厳格でなく、かつ、X5が当日休む旨電話連絡している事実から、また、職務不熱心については、さきの団交で解決済みであることからみて、夏期休暇未届、職務不熱心を理由にX5を解雇するのは不自然であり、同人の組合活動を嫌悪してなした不当労働行為と認めざるを得ない。
0700 職場規律違反
2000 人員整理
組合員のX2、X3の解雇理由として、X5の夏期休暇取得行為を擁護したことが社内規律に違反したこと、経営難をあげているが、前記判断の如く、X5の行為が規律違反とは認められず、経営難であったことも認められないことから、同人らの組合活動を嫌悪してなした不当労働行為と判断する。
4302 組合員資格喪失者(含組合脱退・死亡)
4402 企業閉鎖・偽装解散と救済
企業倒産とこれに伴う労働債権の担保としての出版書籍の組合への譲渡に関する協定の成否は別としても、組合員がこの協定締結の日をもって退職している事実が認められるところから、解雇の日から同日までのバックペイと陳謝文の送付を命ずるのが相当と判断する。
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業種・規模 |
出版・印刷・同関連産業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集46集409頁 |
評釈等情報 |
 
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