概要情報
事件名 |
南国交通 |
事件番号 |
鹿児島地労委昭和46年(不)第1号
鹿児島地労委昭和46年(不)第2号
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申立人 |
南国バス労働組合 |
被申立人 |
南国交通 株式会社 |
命令年月日 |
昭和47年 3月22日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
組合間差別による車両分配ならびに組合書記長の解雇等をめぐる事件で、車両配分について陳謝文の手交を命じたが、解雇等については棄却した。 |
命令主文 |
1. 被申立人は、下記のとおりの陳謝文を命令書交付の日から7日以内に申立人に手交しなければならない。 記 昭和 年 月 日 南国バス労働組合 執行委員長 X1 殿 南国交通株式会社 代表取締役 Y1 会社は、昭和46年1月の出水営業所および同年2月の鹿児島営業所における車両配分が、労働組合法第7条第1号に該当する不当労働行為であったことは誠に遺憾であり、今後このようなことで貴組合員に不利益取扱いをしたりして貴組合の団結権を侵害しないことを誓約するとともに、ここに陳謝の意を示します。 以上鹿児島県地方労働委員会の命令により本書を手交します。 2. 被申立人は前項の命令施行後すみやかに履行した旨を書面をもって当委員会に報告しなければならない。 3. 申立人のその余の請求は、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
0201 就業時間中の組合活動(含職場離脱)
在籍専従制度は、団体交渉等により獲得すべきで、別組合に認めて申立組合に認めないからといって、会社の承認なしに組合の機関決定をたてに、出勤せず組合事務所に詰めたまま既成事実をつくろうとした書記長の行動を容認した組合も、正当な組合活動の範囲を逸脱しており、したがって、組合運営に対する支配介入に当るとは断定しがたい。
1302 就業上の差別
車両配分は、組合分裂に伴い従業員間のあつれきを考慮し、また、接客態度や服装等を評定して決定したと主張しているが、所長が不適格者としたX2運転士が適任者と決定されたことなどからみて、車両配分はすべて所属組合の違いによる差別扱いであると認められる。
2803 その他
2901 組合無視
組合を脱退し新たに別組合を結成した場合は、旧組合の獲得した権利を放棄したことになるから、新たに団交によって確保すべきであり、組合専従についてもこれと同様であるから、新組合に専従制度を認めないからといって、組合間の差別扱いというわけにはいかない。
5008 その他
確認書や労働協約の解釈、適用の問題とか解雇に至るまで段階的な手順を踏まず、所定の手続がなかったという問題も含めて本件解雇が解雇権の濫用か否かについての判断は司法審査にまつべきであるので、当委員会は、本件解雇が不当労働行為には該当しないという判断をするにとどめる。
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業種・規模 |
道路旅客運送業(バス専業) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集46集328頁 |
評釈等情報 |
 
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