概要情報
事件名 |
理研産業 |
事件番号 |
広島地労委昭和46年(不)第3号
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申立人 |
理研産業労働組合 |
被申立人 |
理研産業 株式会社 |
命令年月日 |
昭和46年 9月16日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が休憩時間中に組合機関誌を配付したことを理由に有給休暇を欠勤扱い、および譴責処分に付した事件で、有給休暇扱いにすること、処分取消しおよびポストノーチスを命じ、支配介入禁止については棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、昭和46年4月6日から同年6月21日までの間に欠勤扱いとした申立人組合の組合員の請求にかかわる年次有給休暇を、請求どうりの年次有給休暇として取り扱わなければならない。 2 被申立人は、申立人組合の執行委員長X1、書記長X2および組合員X3に対し、昭和46年2月24日の賞罰委員会の決定に基づき行った譴責処分を取り消さなければならない。 3 被申立人は、命令書交付の日から10日以内に、下記の文言を縦1メートル、横1.5 メートルの木板に墨書し、本社の表側の従業員が見やすい場所に10日間掲示しなければならない。 なお、年月日の記載は、掲示する初日をもってする。 記 会社が行ったつぎの行為は、不当労働行為であったことを認め、今後このような行為はいたしません。 1 理研産業労働組合の組合員が、昭和46年4月6日から同年6月21日までの間に請求した年次有給休暇を欠勤扱いにしたこと。 2 理研産業労働組合の執行委員長X1、書記長X2および組合員X3に対し、昭和46年2月24日の賞罰委員会の決定に基づき譴責処分を行ったこと。 以上、広島地方労働委員会の命令によって、お知らせします。 昭和 年 月 日 理研産業労働組合 執行委員長 X1殿 理研産業株式会社 代表取締役 Y1 4 その余の申し立ては棄却する。 |
判定の要旨 |
0200 宣伝活動
3500 処分の時期
本件ビラ配布には、会社の許可を得ていない等手続上の落度はあるが、正当な組合活動を逸脱したとまではいえず、しかも、賃上げをめぐる労使対立の時期に譴責処分したことからみて、不当労働行為とみるほかない。
1600 休暇の取扱い
有給休暇を欠勤扱いにしたことは、休暇がスト通告後であっても労働者の権利であること、ストとして行われたものでないことなど、また、他の組合員には休暇として取扱っていることなどよりみて、申立組合員であるが故の不利益扱いである。
2620 反組合的言動
2700 威嚇・暴力行為
本件社報の内容は、組合機関誌の記事に対して、警告し、かつ、会社の批判と見解を述べ、全従業員の良識に訴えるにとどまっており、組合の機関誌活動を抑制したものではない。
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業種・規模 |
一般機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集45集219頁 |
評釈等情報 |
労働経済判例速報 昭和47年1月30日 (23巻3号)768 号 17頁 
労働判例 1971. 12. 15 137号 66頁 
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