概要情報
事件名 |
千秋庵製菓 |
事件番号 |
北海道地労委昭和45年(不)第31号
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申立人 |
千秋庵製菓労働組合 |
被申立人 |
千秋庵製菓 株式会社 |
命令年月日 |
昭和46年 8月27日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
配転を拒否した女子組合執行委員を就任直後に通算20日間の出勤停止処分に付し、同人の年末一時金を低査定した事件で支配介入行為の禁止、処分の取消し、賃金相当額の支払等を命じ、配転命令の取消しは棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、今後申立人組合の運営に介入するような組合員の配置転換をしてはならない。 2 被申立人は、X1に対する昭和45年11月4日付けおよび同月7日付け、同月25日付け、ならびに同12月15日付けの各出勤停止処分を取り消し、その期間につき受くべかりし給与の差額を支給しなければならない。 3 被申立人は、X1に関する昭和45年年末一時金支給額を中位以上の基準により再査定してその差額を同人に支給しなければならない。4 被申立人は、下記内容の陳謝文を縦1メートル、横2メートルの木製厚板に墨書して被申立人本社社員通用口の見やすい場所に命令交付の日から3日以内に1週間掲示しなければならない。 記 陳 謝 文 会社は、昭和45年10月21日および10月25日貴組合のX1執行委員に対し配置転換を命じ、11月4日から3度にわたり通算20日間の出勤停止処分に付し、また同年末一時金の支給について不利益な取扱いをいたしましたが、これは同執行委員の組合活動を阻害し貴組合の弱体化をもたらす不当労働行為でありましたので、ここに深く陳謝し、今後貴組合および組合員に対してかかる行為をくりかえさないことを約束します。 昭和 年 月 日 (註、掲示する初日年月日を記載すること) 千秋庵製菓労働組合員 各位 千秋庵製菓株式会社 取締役社長 Y1 5 その余の救済申立てを棄却する。 6 被申立人は、第2項、第3項および第4項の履行状況をすみやかに当委員会に報告しなければならない。 |
判定の要旨 |
1201 支払い遅延・給付差別
1400 制裁処分
不当労働行為と認められる配転命令に従わないとして、3回にわたり出勤停止処分をくり返したこと、その処分を理由として年末一時金を低査定したことはともに、同人の組合活動に対する報復的な対抗措置である。
1300 転勤・配転
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
初めから配転の候補にのぼっていたX2をX1に代えて配置し、会社に不便がないにもかかわらず、再度X1に配転命令を発しているのは、初の女子執行委員として従業員の多数を占める女子組合員への影響を回避し、組合の弱体化を企図した措置である。
4302 組合員資格喪失者(含組合脱退・死亡)
本人のその後の任意退職により、同人に対する配置転換命令の取消しについては被救済利益はないので、その請求は棄却する。
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業種・規模 |
食料品製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集45集165頁 |
評釈等情報 |
労働判例 1971.12.1 136号 57頁 
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