概要情報
事件名 |
関東自動車 |
事件番号 |
栃木地労委昭和46年(不)第1号
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申立人 |
私鉄関東自動車労働組合 |
被申立人 |
関東自動車 株式会社 |
命令年月日 |
昭和46年 5月 7日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
休暇取得方法等に関する通達の配布、執行委員X1の懲戒解雇および同人の労使協議会への出席拒否等の問題についての団交を拒否した事件で、通達懲戒解雇および労使協議会出席等の問題についての団交応諾を命じ、その他は棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、次の事項について、私鉄関東自動車労働組合と本命令交付後直ちに誠意をもって団体交渉を行なわなければならない。 (1) 「誠実な就業の促進」と題する通達について (2) X1の懲戒解雇について (3) X1の労使協議会への出席について 2 その余の申立ては、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
2300 賃金・労働時間
休暇の許可基準等についての通達は、労働条件に関するものであり、使用者の処分権限内の事項であることが明白であるから、組合が通達実施は労働条件の変更にあたると自主的に判断し、協議会とは別に団交を申入れた以上、会社は、団交に応ずべきであり、これを拒否する正当な理由があるとは認められない。
2301 人事事項
賞罰審査会の委員構成に問題があること、本人に弁明の機会を与えないまま採決に入り、これを不服として組合委員が退席したこと等からみて、組合がこの決定を不服として団交を申入れたことは当然かつ正当であり、これを不当とした会社主張は認められない。
2216 その他
労使協議会の性格、機密保持等について協約に規定があることから、被解雇者X1の協議会への出席を拒否したことは当然であるとの会社主張は、単に協議会の構成員の範囲を主張したものに過ぎず、X1の出席拒否問題についての団交申入れを拒否する正当な理由とは認められない。
2216 その他
協約において労使協議会が独立の協議機関として設けられている以上、協議会での協議と団交とは一応区別されるべきであり、しかも被解雇者X1を含めた団交申入れとこれに対する会社の団交拒否の事実が認められないので、X1の協議会への出席拒否が団交拒否に等しいとの主張は認められない。
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業種・規模 |
一般機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集44集361頁 |
評釈等情報 |
労働判例 1971年8月1日 128号 80頁 
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