概要情報
事件名 |
弘南バス |
事件番号 |
青森地労委昭和45年(不)第3号
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申立人 |
弘南バス労働組合 |
被申立人 |
弘南バス 株式会社 |
命令年月日 |
昭和46年 3月23日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
労働条件について、新労働協約の未締結を理由に、旧労働協約を適用して、申立組合員のみを差別扱いした事件で、差別扱いの是正、差額の支払い、旧協約適用による定年退職の取消し、バックペイを命じた。 |
命令主文 |
1 被申立会社は、昭和45年1月21日以後申立組合の組合員に関する労働条件を身分又は職種をひとしくする会社従業員(弘南バス全労働組合の組合員を含む。)と同等にしなければならない。 2 被申立会社は、昭和45年1月21日以後の申立組合の組合員に対する超過勤務手当、当直料および乗務員に対する各種手当の支給額を前項従業員と同額にし、未払い差額分は直ちに支払わなければならない。 3 被申立会社は、申立組合の組合員X1に対する昭和45年3月5日付の定年解雇を取消し、同年3月6日以後同人が受けるはずであった給与相当額を支払わなければならない。 |
判定の要旨 |
1106 契約更新拒否
新労働協約の未締結を理由に、旧労働協約を適用して申立組合員X1を定年解雇したことは、申立組合員なるが故の不利益取扱いと認められる。
3103 労働協約締結をめぐる行為
労働条件について、別組合と締結した新労働協約を非組合員に適用することは、会社の一方的な措置によってなし得ると解されるが、このような措置は、当然従業員全部について公平、均等になすべきであり、非組合員と申立組合員を区別し、非組合員にのみ選択的に適用するのは妥当ではない。
3103 労働協約締結をめぐる行為
執行委員長を含む数名の組合員の解雇処分を争っている組合に、労働条件の向上と引き替えに争議制限条項の締結を要求することは、不可能を強いることに等しく、これを拒否したからといって、労働条件を他の従業員以下におさえる根拠とはなし得ない。
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業種・規模 |
道路旅客運送業(バス専業) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集44集215頁 |
評釈等情報 |
労働判例 1971年6月15日 125号 66頁 
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