概要情報
事件名 |
金剛製作所 |
事件番号 |
中労委昭和42年(不再)第67号
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再審査申立人 |
株式会社 金剛製作所 |
再審査被申立人 |
日本労働組合総評議会全国金属労働組合埼玉地方本部金剛製作所支部 |
再審査被申立人 |
日本労働組合総評議会全国金属労働組合埼玉地方本部 |
命令年月日 |
昭和45年 7月 1日 |
命令区分 |
再審査棄却(初審命令をそのまま維持) |
重要度 |
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事件概要 |
会社職制が、組合非難や組合脱退勧奨を行ない、また反組合執行部派組合員の行動を指揮し、さらに生産委員会の委員を組合脱退者の中からのみ選任したり、会社施設の使用を禁止した等の事件で、初審救済命令を支持して再審査申立てを棄却した。 |
命令主文 |
本件再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
2610 職制上の地位にある者の言動
2620 反組合的言動
3410 職制上の地位にある者の言動
会社次長、課長らが、組合員に対し組合を非難する発言をしたことは、組合会社再建策に反対する執行部支持派と会社再建策に協力しようとする反執行部派に事実上分裂し、組合員らは、そのいずれを選ぶか決断を迫られていたという微妙な時期でもあったことを考慮すれば不当労働行為と言わざるを得ない。
2611 その他の従業員の言動
2620 反組合的言動
3106 その他の行為
3411 その他の従業員の言動
会社の組合活動経験者の採用にあたって、同人を組合分裂工作要員にする意図があったとしても、同人の採用自体は不当労働行為と判断できず、また同人が組合大会席上で組合執行部の方針を非難したとしても、同人の会社における地位からして、その行為は不当労働行為とは言えない。
2610 職制上の地位にある者の言動
2803 その他
組合が正式に組合大会開催を決定する以前に、会社職制が組合員に対して大会出席を許可する電話をしただけでは、組合運営に支配介入した行為とは言えない。
2901 組合無視
3700 使用者の認識・嫌悪
会社が、生産委員会の委員を組合脱退者の中からのみ選任し、その選出にあたって申立組合を除外したことは、組合が事実上分裂状態にあったこと、組合が会社の方針に反対の態度をとっていたこと等の諸事情からみて、組合を差別扱いしたものと認めざるを得ない。
2610 職制上の地位にある者の言動
3102 争議対抗手段
3410 職制上の地位にある者の言動
会社人事係長が、組合員中の反執行部派組合員を説得し、執行部派の行なう出勤阻止に対抗するため集団出勤を敢行させたことは、同人がたまたま組合員であったとしても、会社の出退勤管理の責任者として、反執行部派の行動を指揮したと認めざるを得ず、不当労働行為に該当する。
2801 団体運営に関する補助金支給
4820 単一組織の支部・分会等
経理上の援助をうけているので組合は被救済申立人となり得ないと会社が主張しているが、公益委員会議で適格と決定されているので、会社の主張は理由がない。
5124 その他の審査手続
組合の救済申立書に記されていない事項でも、その後、それについて組合が主張、立証しているので、救済を求めているものとみるのが相当である。
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業種・規模 |
輸送用機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集43集607頁 |
評釈等情報 |
労働判例 1970年9月15日 107号 30頁 
中央労働時報 昭和45年12月10日 506号 14頁 
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