概要情報
事件名 |
尾道合同タクシー |
事件番号 |
広島地労委昭和45年(不)第10号
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申立人 |
全自交東部支部尾道合同分会 |
被申立人 |
尾道合同タクシー 株式会社 |
命令年月日 |
昭和45年12月25日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
スト期間中および組合定期大会中の就労者に対する臨時昇給、勤務態様に応じた特別手当や夏期一時金上積み支給等が問題となった事件で、参加者に対しても就労者と同様の金員支給を命じ、謝罪文の提出および新聞掲載については棄却した。 |
命令主文 |
主 文 1 被申立人は、別紙1に記載する者のうちX1、X2については、昭和45年3月分賃金から、その他の者については、同年2月分賃金から基本日給額をそれぞれ50円増額したと同様に扱い、別紙2に記載する者については、同年7月分賃金から基本日給額をそれぞれ10円増額したと同様に扱うこと。ただし、X3、X4、X5については、最終の支給対象日までとする。 2 被申立人は、別紙3に記載する者に対し、一律20,000円を、別紙4に記載する者に対し、一律10,000円を、別紙5に記載する者に対し、一律1,000円をそれぞれすべてのはね返り分を加算して支給すること。 3 被申立人は、スト中泊り勤務1回につき1,500円、日勤1回につき 1,000円、特別勤務1回につき500円の割り合いで支給した総額からX1、X2の支給分を差し引いた金額を申立人分会に支払うこと。 4 その余の申し立ては棄却する。 |
判定の要旨 |
0125 組織・職場活動(含証人の行為)
1205 別組合員に対する特別手当の支給
2900 非組合員の優遇
分会のストあるいは大会に参加しなかった乗務員の労働が加重されたとしても、増加した時間外労働に対しては割り増し賃金が、また、過密労働に対しては報償金として歩合給が支給されているのであるから、名目はなんであれ、別に金員を支給したことは、参加者を不利益に扱った不当労働行為である。
4302 組合員資格喪失者(含組合脱退・死亡)
本件申し立て後、退社しあるいは死亡した3名については、スト及び大会当時分会員として差別扱いをうけたのであるから、救済の対象に含めることが適当である。
4615 P.Nを認めないことに理由を付した例
申立人分会は、謝罪文の提出および新聞への掲載を求めているが、救済方法としては、主文のとおりで十分であると判断する。
4422 その他
スト中の就労者に対して勤務態様に応じて支給されたものについては、その総額が差別分であるから、それを分会に一括支払うことが適当である。
5124 その他の審査手続
組合大会中の就労者に対して支給された一律 1,000円の謝礼については、当委員会の調査において判明したもので、分会は、申し立て当時これについて救済を請求していなかったが、審査の過程からみて、申し立ての意思を放棄したものとは言えず、会社の一連の行為と認められるので、救済の対象とすることが適当である。
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業種・規模 |
道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集43集551頁 |
評釈等情報 |
労働判例 1971年3月15日 119号 61頁 
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