概要情報
事件名 |
クレマツ |
事件番号 |
茨城地労委昭和45年(不)第1号
|
申立人 |
呉飼糧労働組合 |
申立人 |
X1 |
被申立人 |
クレマツ 株式会社 |
命令年月日 |
昭和45年12月17日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
|
事件概要 |
組合結成直後、社長が組合幹部ら3 名に対して組合脱退を説得し、また組合委員長を背任横領を理由に解雇した事件で、組合脱退を強要するなどの支配介入の禁止および解雇取消し、原職復帰、バックペイ、陳謝文の掲示を命じ、その他の申立ては棄却した。 |
命令主文 |
主 文 1 被申立人会社は、申立人組合の組合員に対し、脱退を要求するなどの支配介入行為をしてはならない。 2 被申立人会社は、申立人X1の解雇を取消し、従前の職場に就労させなければならない。 3 被申立人会社は、申立人X1に対し、昭和45年1月25日以降就業させるまでの間に同人が受けるはずであった賃金相当額を支払わなければならない。 4 被申立人会社は、下記の陳謝文をこの命令の日から7日間関東試験場玄関前ならびに横須賀工場玄関前に掲示しなければならない。なお、掲示文は縦50cm、横1m以上の大きさにしなければならない。 記 陳 謝 文 会社は、貴組合の組合員に対し脱退を迫り、また執行委員長を解雇したことは労働組合法第7条第1号、第3号に該当する行為であることを認め、今後かかる行為をくり返さないことを誓約するとともに、貴組合に対し陳謝の意を表します。 昭和45年 月 日 クレマツ株式会社 代表取締役 Y1 呉飼糧労働組合殿 5 申立人らのその余の申立ては棄却する。 |
判定の要旨 |
0900 不正行為
3500 処分の時期
組合委員長の解雇理由である金銭着服は、その事実を会社が知ったとする日から半年も経過して問題にし、しかも事実の把握があいまいであることからみて、本件解雇は、同人が組合結成の中心的人物であり、委員長として活躍していることを嫌悪してなした不当労働行為である。
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
3410 職制上の地位にある者の言動
組合結成直後、社長が会社幹部同席のうえ、組合幹部ら3名と談合し、組合脱退を説得したということは、社長から会社幹部に組合結成阻止の命令が出ていることなどをあわせ考えると事実とみるべきであり、支配介入行為である。
|
業種・規模 |
飲料・たばこ・飼料製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集43集505頁 |
評釈等情報 |
労働判例 1971年3月1日 118号 61頁 
|