労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  極東彫刻所 
事件番号  東京地労委昭和43年(不)第24号 
東京地労委昭和43年(不)第44号 
申立人  総評全国金属労働組合東京地方本部下丸子地域支部 外個人3名 
被申立人  株式会社 極東彫刻所 
命令年月日  昭和45年11月17日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  賃金交渉に際し、組合との間に未だ妥結を見ていない時期に「会社回答でよい者は申し込むように」との文書を掲示し、また秩序びん乱を理由に組合活動家を出勤停止処分に付した事件で、前記文書掲示の禁止を命じ、他は棄却した。 
命令主文  主       文
1 被申立人株式会社極東彫刻所は、申立人総評全国金属労働組合東京地方本部下丸子地域支部と、賃上げ、一時金支給について団体交渉を行なう場合、その継続中に申立人支部組合員を対象として「会社の回答でよい者は申込むように」という趣旨の掲示をしてはならない。
2 その余の申し立てを棄却する。 
判定の要旨  1202 考課査定による差別
会社が従業員個々の技術を重視するという事情は理解できるところであり、分会員と他の従業員を比較すると後者の方が技術に秀れていることがうかがわれることからして、会社が賃金支給に関して分会員であることを理由に不利益扱いしているとは認められない。

1202 考課査定による差別
たしかにX1らに対する査定額は低いが、当該一時金に関し会社と組合は協定書をかわし、その後組合ないしX1らから会社に苦情の申し出がなかったものであり、X1らがその組合活動によりことさら会社から嫌われていたとは認められず、かえって、会社が両名に対し低額支給をしたことには理由がある。

0700 職場規律違反
1401 労務の受領拒否
同僚にネジの切り方を教えるようなことは従業員の間でたまたま起こりうることであったとしても、直接業務に関係のあったことではなく、上司の注意に対してX2のとった行為からみて、本件出勤停止処分を同人の組合活動の故と認めることはできない。

2620 反組合的言動
会社の従業員数がさして多くないこと、全分会員が団交に出席していたことからみて、会社が誰が分会員であるかわからないということは認め難く、一時金交渉中に会社回答通りの支給でよい者は、申し出てもらいたい旨の掲示をしたことは分会員の動揺を意図したものと認められる。

業種・規模  金属製品製造業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集43集415頁 
評釈等情報  労働判例 1971年2月15日  117号 59頁 

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