概要情報
事件名 |
天王寺交通 |
事件番号 |
大阪地労委昭和45年(不)第46号
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申立人 |
全国自動車交通労働組合大阪地方連合会天王寺交通労働組合 |
被申立人 |
天王寺交通 株式会社 |
命令年月日 |
昭和45年10月31日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
協定に反して会社が一方的な基準にもとづいた賃金支給を行ない、その問題をめぐる団交を拒否し、また業務妨害等を理由に組合教宣部長を解雇した事件で協定した基準での賃金支払い、団交応諾、および原職復帰、バックペイを命じた。 |
命令主文 |
主 文 1 被申立人は、昭和45年2月27日、大阪府地方労働委員会において申立人と締結した協定にもとづく新賃金体系等を決定するための団交交渉にすみやかに応じなければならない。 2 被申立人は、昭和45年4月分以降の賃金について、新賃金体系が決定するまでの間、水揚げ高に対し、63%の率で計算した賃金を申立人組合の組合員に支給しなければならない。 3 被申立人は、X1に対し、次の措置を含め、昭和45年6月1日以降同人が解雇されなかったと同様の状態を回復させなければならない。 (1) 原職に復帰させること。 (2) 解雇の日から原職復帰の日までの間に、同人が受けるはずであった賃金相当額を支払うこと。 |
判定の要旨 |
0200 宣伝活動
0208 暴力・不穏当な言動を伴った組合活動
被解雇者の行なった教宣活動には行き過ぎの面も見られるが、他方会社にも組合を無視した一方的な行為も多く、紛争の絶えなかった事情等を勘案すれば、教宣部長の役職にあった者の行動として一概に非難することは当を得ない。
1203 その他給与決定上の取扱い
会社の賃金支給方式は三本建てになっており、そのうち組合との協定による方式を履行せず、一方的に残りの二つの方式により賃金を支給している会社の行為は、組合員に対する不利益扱いであり、組合の弱体化を意図した不当労働行為である。
2249 その他使用者の態度
2300 賃金・労働時間
労使関係の安定のためには何よりもまず新賃金協定を急ぎ締結すべきであるのにかかわらず、誠意をもって組合の要求する団交に応じようとしない会社の態度は不当労働行為であると言わざるを得ない。
0600 暴力行為
3501 労働者の行為と不利益取扱の時期との関連
解雇理由として挙げられている紛争の責任追及については、その後の団交により一応の結論をみているのであって、新しい賃金体系をめぐって紛争が激化した時点で解雇理由として採り上げたことは妥当性を欠くと言うべきである。
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業種・規模 |
道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集43集384頁 |
評釈等情報 |
 
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