労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  山陽新聞社 
事件番号  岡山地労委昭和39年(不)第2号 
申立人  山陽新聞労働組合 
被申立人  株式会社 山陽新聞 
命令年月日  昭和45年 8月19日 
命令区分  全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) 
重要度   
事件概要  組合活動家8名が、異職種または辺地へ配転させられ、あるいは子会社へ出向させられた事件で、8名中、救済を望む6名について原職復帰または原職相当職への復帰、ならびに陳謝文の手交および掲示を命じた。 
命令主文  主      文
1 被申立人は、申立人の組合員X1、X2、X3、X4に対する昭和39年 1月30日付けの配転命令を取消し、X1、X2を原職に復帰させ、X3、X4を原職相当の職に配転させなければならない。
2 被申立人は、申立人の組合員X5、X6に対する昭和38年 8月 7日付けの配転命令を取消し、原職に復帰させなければならない。
3 被申立人は、下記内容の謝罪誓約書を命令交付の日から5日以内に申立人に交付するとともに、同内容の文章を縦1メートル、横 1.5メートルの大きさの白紙に墨書し、本社内の見やすい場所2ヵ所に10日間掲示しなければならない。
4 申立人のその余の申立を棄却する。
               記
 会社は、昭和38年 8月 7日付けのX5、X6に対する配転命令、昭和39年 1月30日付けのX1、X2、X4、X3、X7に対する配転命令、および昭和39年 2月20日付けのX8に対する出向命令は貴組合の弱体化を意図して行なった不当労働行為であったことを認め、ここに深く陳謝するとともに今後かかる行為を繰返さないことを誓約いたします。
  昭和  年  月  日
 山陽新聞労働組合
  執行委員長 X9 殿
              株式会社山陽新聞社
               代表取締役 Y1 
判定の要旨  1300 転勤・配転
3500 処分の時期
組合活動家8名を、異職種または辺地へ配転させ、あるいは子会社へ出向させたことは、そうしなければならない格別の合理的な理由がなく、また組合分裂後、間もなく行なわれていることから判断すると、同人らの組合活動を嫌悪した不当労働行為と認定するのが相当である。

4301 労組法7条3号(支配介入、経費援助)の場合
被配転者のうち、原職復帰を望んでいないものについては被救済利益はない。

4400 原職相当職への復帰を命じたもの
被配転者のうち、原職が廃止されているものについては、原職相当職へ配転させるべきである。

4825 その他
会社は、申立組合は適法組合でないと主張するが、公益委員会議において同組合は労組法第2条および第5条第2項に適合する旨の決定がなされているので、会社の主張は排斥されなければならない。

5004 管理職への登用の請求
出向先の会社で役職を付することの請求は、出向先会社が本件の当事者でないので、かかる命令を発することは不可能である。

業種・規模  出版・印刷・同関連産業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集43集180頁 
評釈等情報  労働判例 1970年11月 1日  110号 28頁 

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