概要情報
事件名 |
久保書店 |
事件番号 |
東京地労委昭和44年(不)第47号
|
申立人 |
久保書店労働組合 |
被申立人 |
株式会社 久保書店 |
命令年月日 |
昭和45年 7月28日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
|
事件概要 |
会社が業務縮少を理由に組合員6名を解雇した事件で、上記6名の原職または原職相当職への復帰とバックペイ (ただし、命令書交付日以降の支払いは、組合が6名の解雇に対抗して続行している社屋占拠の解除を条件とする) を命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人株式会社久保書店は、申立人久保書店労働組合の組合員X1、X2、X3、X4、X5およびX6を原職または現職相当職に復帰させ現実に就労させなければならない。 2 被申立人会社は、X1ら6名に対して同人らが解雇された日の翌日から原職または原職相当職へ復帰するまでの間に受けるはずであった賃金相当額 (被申立人会社がすでに支払い済みの額を控除したもの) を支払わなければならない。 ただし、本命令書交付の日以降の賃金相当額の支払いについては、申立人組合が被申立人会社の社屋の占拠を解くことを条件とする。 |
判定の要旨 |
2000 人員整理
会社が、組合員6名を業務縮小を理由として解雇したことは、社長が組合結成直後その存在を嫌う趣旨の発言をしていること、被解雇者中組合全役員5名が入っていること、組合と結んだ解雇撤回等の確約事項すべてを会社は破棄していること等に徴すれば、組合壊滅を意図してなした不当労働行為である。
4301 労組法7条3号(支配介入、経費援助)の場合
会社が、被解雇者に対する解雇撤回、原職復帰、バックペイ等の内容とする確認書を承認しても、確認事項の履行がなければ、組合にはなお、被救済利益が存する。
0415 職場占拠
4417 条件付命令・協議命令
解雇が不当労働行為であれば、会社に対し、組合の社屋占拠中であれ、その期間中の賃金も遡及払いをするよう命ずることが相当であるが、組合が命令書交付を受けた以後も占拠を継続しつつ賃金の支払いを受けることになれば、組合に過大な救済を与える結果となるので、命令書交付以降の賃金支払いは組合が社屋占拠を解除することを条件とする。
4400 原職相当職への復帰を命じたもの
業務縮少を理由として解雇された組合員の原職復帰について、会社の事業が正常でない状態にあることに鑑み原職相当職への復帰でも差し支えない。
|
業種・規模 |
出版・印刷・同関連産業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集43集73頁 |
評釈等情報 |
労働判例 1970年11月 1日 110号 27頁 
|