労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  京都ホテル 
事件番号  京都地労委昭和44年(不)第11号 
申立人  X1 
申立人  総評全国一般労働組合京都地方本部京都ホテル自動車労働組合 
被申立人  株式会社 京都ホテル 
命令年月日  昭和45年 7月15日 
命令区分  全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) 
重要度   
事件概要  裁判所の地位保全仮処分決定にもとづき被解雇者を復職させたものの、原職でない職場、職務に就労させた事件で、不利益処遇を手段とする支配介入の禁止および陳謝文の手交、掲示を命じた。 
命令主文  1 被申立人は、申立人総評全国一般労働組合京都地方本部京都ホテル自動車労働組合の組合員である申立人X1と被申立人株式会社京都ホテル間の京都地方裁判 所昭和44年(ヨ)第 135号仮処分事件につき、昭和44年 5月2日同裁判所がなした被申立人は申立人X1を被申立人の従業員として仮に取り扱わなければならない等の仮処分決定の履行につき、申立人X1に対し、高速自動車株式会社の京都ホテル内営業所である高速レンタカー営業所で就労を命じ、ついで京都ホテル自動車部庶務係の事務処理を命ずるにあたり、同自 動車部の便所掃除、風呂場の掃除ならびに準備、従業員食堂の整理整頓、食事の運搬等の雑役労務を命ずる等の不利益処遇をしたような方法によって組合の運営 に支配介入してはならない。
2 被申立人は、つぎの文書を申立人両名に提出するとともに、同内容の文章を縦 1メートル、横1.5 メートルの大きさの模造紙に墨書し、被申立人会社自動車部従業員の見やすい場所に10日間掲示しなければならない。
              記
 会社は、貴組合組合員X1に対し、京都地方裁判所の会社はX1を会社の従業員として仮に取り扱わなければならないとの仮処分決定の履行につき、同人に対し、京都ホテル内高速レンタカー営業所で就労を命じ、ついで京都ホテル自動車庶務係の事務処理を命ずるにあたり、同自動車部便所の掃除、風呂場の掃除ならびに準備、従業員食堂の整理整頓、食事の運搬等の雑役労務を命じたことにより、貴組合の運営に支配介入したことは、不当労働行為であることを認め、今後かかる行為はいたしません。以上京都府地方労働委員会の命令により誓約いたします。
                 年   月   日
 総評全国一般労働組合京都地方本部
   京都ホテル自動車労働組合
    組合長  X1  殿
    X1  殿
              株式会社 京都ホテル
             代表取締役 Y1 
判定の要旨  1302 就業上の差別
3900 「不利益の範囲」
裁判所の地位保全処分決定に基づき被解雇者たる組合長を復職させたものの、原職ではない職場や職務に就労させ、あるいは業務を与えなかったことは、同人が組合を通じてねばり強く原職復帰のための法廷闘争を続けていることへの嫌悪感をもってなした不利益取扱いであり、同時に組合運営に対する支配介入行為である。

4301 労組法7条3号(支配介入、経費援助)の場合
被解雇者が原職に復帰させられ、不利益取扱いの事実が継続していなくても、不利益取扱いによる団結権の侵害が治ゆされたとは言えないので、組合には、なお被救済利益がある。

業種・規模  旅館、その他の宿泊所 
掲載文献  不当労働行為事件命令集43集56頁 
評釈等情報   

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