概要情報
事件名 |
共立タクシー |
事件番号 |
徳島地労委昭和44年(不)第10号
|
申立人 |
総評全国一般労働組合徳島地方本部 |
被申立人 |
共立タクシー 有限会社 |
命令年月日 |
昭和45年 6月23日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
|
事件概要 |
就業時間中に組合結成大会を開催することに起因して、試用期間中の組合員1名が解雇され、4名が解雇予告をうけ、その後2名は撤回されたが、うち2名が予告どおり解雇された事件で、解雇取消し、原職復帰、バックペイを命じ、他は棄却した。 |
命令主文 |
1. 被申立人は申立人組合員X1、同X2の解雇を取消し、原職に復帰させ、解雇の日から原職に復帰するまでの間に、同人らが受けるはずであった諸給与相当額の金員を支払わなければならない。 2. 申立人のその余の請求は、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
0201 就業時間中の組合活動(含職場離脱)
0700 職場規律違反
3601 処分の程度
3700 使用者の認識・嫌悪
本件の如き特殊な勤務形態では、就業時間中の組合結成大会開催を認めるのが穏当で、しかも約4時間程度であれば、団結権に根ざす組合活動上の必要性と業務上の支障との権衡においても会社が堪え得る限度を著しく越えたものとはいえないとみるのが相当であり、解雇等の処分をもってするのは酷に過ぎ、会社に組合を嫌悪する態度がなければなし得ないことであると考える。
0600 暴力行為
3601 処分の程度
組合員X1の行為は団結を維持するための示威行動であって、従業員に恐怖心を起させるほど緊迫した状況のものでなく、手段において軽卒の誹は免れないにしても、その目的、態様にてらし、これをもって、解雇の要因とすべき重大な行為とは認め難い。
0110 結成行為の範囲とされた例
3609 その他
3700 使用者の認識・嫌悪
組合員2名の解雇問題をめぐる会社の行為には全く合理性が認められず、社長の発言をはじめ、審査の経過からみて、会社が組合を嫌悪し、大会開催に対する報復手段として先制的に処分したと認めるほかなく、組合活動の当否にかかる以前の問題として非難は免れない。
4401 原職復帰と他の措置を併せて命じたもの
5005 損害賠償の請求
5007 謝罪・陳謝・誓約文の手交・掲示
組合は、解雇取消しのほか、争議中に防衛上支出した金額の補償ならびに謝罪文の新聞掲載を求めているが、諸般の事情にてらし、主文のとおりで適当である。
|
業種・規模 |
道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集42集402頁 |
評釈等情報 |
労働判例 1970年 9月 1日 106号 64頁 
労働判例 1970年 8月15日 105号 29頁 
|