労働委員会命令データベース

[命令一覧に戻る]
概要情報
事件名  日本計算器 
事件番号  京都地労委昭和44年(不)第4号 
京都地労委昭和44年(不)第5号 
申立人  総評全国金属労働組合京磁地方本部日本計算器支部 
被申立人  日本計算器 株式会社 
命令年月日  昭和45年 5月26日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  裁判所または労働委員会に出頭する組合側証人について会社側証人と比べて差別扱いした事件で、支配介入行為の禁止、賃金カット日の賃金相当額の支払い、ポストノーティスを命じ、他は棄却した。 
命令主文  1. 被申立人は、申立人組合の組合員以外の従業員が裁判所、労働委員会に証人として出頭する場合には出張扱いにする一方、申立人組合の組合員が同じく証人として出頭する場合には、特別休暇扱いにすべきものを賃金カットして差別することにより、申立人組合の運営につき支配介入してはならない。
2. 被申立人は、X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9、X10、X11、X12、X13、X14およびX15に対し、各人が京都地方裁判所峰山支部、大阪地方裁判所および京都府地方労働委員会に証人として出頭した各日にそれぞれカットした賃金相当額を支払わなければならない。
3. 被申立人は、下記の文書を申立人に提出するとともに、同内容の文章を縦1メートル、横 1.5メートルの大きさの模造紙に墨書し、被申立人会社峰山製作所正門内の従業員が出退社のさいに見易い場所に10日間掲示しなければならない。
              記
 会社は、貴組合の組合員以外の従業員が裁判所、労働委員会に証人として出頭する場合には出張扱いにする一方、貴組合の組合員が同じく証人として出頭する場合には賃金をカットして差別したことは不当労働行為であったことを認め、今後このような差別扱いを改めることを誓約いたします。
   昭和  年  月  日
 総評全国金属労働組合
   京磁地方本部日本計算器支部
     執行委員長 X1  殿
             日本計算器株式会社
               代表取締役 Y1
4. 申立人のその余の請求を棄却する。 
判定の要旨  1203 その他給与決定上の取扱い
2901 組合無視
証人として裁判所または労働委員会に出頭することは組合活動とはいえず、労働基準法第7条の公の職務の執行と同様に解すべきであり、会社側申請の証人と組合側申請の証人について、一方は出張扱いとし、他方は賃金をカットした措置は、組合員に対する不利益取扱いであり、ひいては支配介入でもあると解せられる。

5008 その他
組合側申請の証人を出張扱いとすること及び賃金のほか旅費、出張手当の遡及支払いの請求については労働委員会の救済の範囲をこえるものである。

5008 その他
不当労働行為事件の申立てに要した費用の請求は労働委員会の権限外の問題である。

業種・規模  精密機械器具製造業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集42集388頁 
評釈等情報  労働判例 1970年 9月 1日  106号 60頁 
労働判例 1970年 8月15日  105号 28頁 

[先頭に戻る]