概要情報
事件名 |
日本航空 |
事件番号 |
東京地労委昭和44年(不)第9号
東京地労委昭和44年(不)第36号
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申立人 |
日本航空乗務員組合 |
申立人 |
X1 他 4名 |
被申立人 |
日本航空 株式会社 |
命令年月日 |
昭和45年 5月19日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
乗務手当について組合間に差別があり、これに関する団交を拒否し、また昇給査定に際して申立組合員に低い格付けを行なった事件で、団交応諾及び昇給査定の是正とそれに伴うバックペイを命じた。 |
命令主文 |
1. 被申立人会社は、申立人組合員の乗務手当の単価改訂について合理的な解決をはかるために、申立人組合と団体交渉をしなければならない。この場合、被申立人会社はいわゆる勤務条件の先議を理由として、この団体交渉を拒否してはならない。 2. 被申立人会社は、申立人X1、同X2、および同X3の昭和43年度定期昇給査定につき3号俸昇給を4号俸昇給に是正し、その差額を支払うなどこれに伴う必要な措置を講じなければならない。 |
判定の要旨 |
1201 支払い遅延・給付差別
1202 考課査定による差別
会社のいう相互連繋の欠如とは雰囲気的なものであって、その程度では不利な昇給査定を行なう合理的な理由と認めることはできない。
1201 支払い遅延・給付差別
1202 考課査定による差別
組合と会社との間に路線別了解が成立していないために、申立組合員の乗務割編成についてある程度の制約が生じていることは認められるが、そのことは会社と組合の間で解決すべき問題であり、これだけでは同人らの不利な昇給査定の理由とはなり得ない。
1201 支払い遅延・給付差別
1202 考課査定による差別
無申告時計の所持を税関で摘発され徴税許放処分を受けたことを査定の一材料としたことは、本人が事件直後に上司に報告しており、かつ当時は何等問題とされていなかったことを考えると、本件の昇給査定を正当化しようとする口実に過ぎないものと認めざるを得ない。
2210 組合員名簿・組合規約不提出
4500 交渉拒否理由または交渉条件に関する指示に触れた例
組合が組合員たる機長を明示しないとしても、交渉過程において機長に関する条項をどのように取扱うかについて協議することも可能なのであって、これをもって交渉に応じない正当な理由ということはできない。
2900 非組合員の優遇
4420 団交を命じた例
乗務手当などの労働条件は勤務の態様と関連して定められるものであり、会社と別組合との間には勤務協定等が結ばれているのに反し組合と会社との間には勤務協定が存在せず、同一の取扱いをすべきであるとの主張は採用できない。
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業種・規模 |
航空運輸業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集42集357頁 |
評釈等情報 |
労働判例 1970年 8月1 日 104号 27頁 
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