概要情報
事件名 |
和歌山ダイハツ販売 |
事件番号 |
和歌山地労委昭和44年(不)第2号
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申立人 |
和歌山一般労働組合 |
被申立人 |
和歌山ダイハツ販売 株式会社 |
命令年月日 |
昭和45年 4月14日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
賃上げ闘争中、工場長が朝礼や数名の組合員に対して行なった発言が問題となった事件で、朝礼における発言については申立てを棄却したが、他の言動については、支配介入の禁止とポストノーティスを命じた。 |
命令主文 |
1. 被申立人は、その職制を通じて、申立人を批判したり、組合員に不利益の暗示を与えるなどの方法により、組合運営に介入してはならない。 2. 被申立人は、この命令到達後7日以内に下記文言を縦1メートル、横2メートルの白紙に筆太に墨書し、これを被申立人の本社および松島工場の一般に見易い場所に、10日間掲示しなければならない。 記 過日小人町工場において、当時の工場長が従業員に対して行なった言辞は、組合運営介入に該当する旨、地方労働委員会の認定があったので、遺憾の意を表するとともに今後再びかかることを、繰り返さないよう誓約します。 昭和 年 月 日 社長 Y1 和歌山一般労働組合 殿 3. 申立人のその余の申立を棄却する。 |
判定の要旨 |
2610 職制上の地位にある者の言動
2625 非組合員化の言動
3410 職制上の地位にある者の言動
組合を抜けてから大浦工場へ入れるようにしてやる旨の発言は、まさに組合員たることを理由とする差別扱いの暗示を含み、組合員に精神的動揺ひいては組合運営に何等かの影響を与えているから支配介入であると認められる。
2610 職制上の地位にある者の言動
2620 反組合的言動
3410 職制上の地位にある者の言動
朝礼時の工場長の発言は、単に組合要求が無理だからストを止めるように述べたにすぎず、これをもって直ちに組合活動に対する非難ないし組合活動を理由とする不利益取扱いの暗示と解することはできず、支配介入と認めることはできない。
4611 P.Nの掲示の場所を配慮した例
使用者に支配介入の積極的意図がなく、またその言動の結果組合運営に大きな支障を来たしたとは認められないので、救済の範囲は支配介入の禁止とポスト・ノーティスを命ずるだけで足り、小人町工場は既に閉鎖されているから、掲示場所も本社と松島工場とするのが適当である。
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業種・規模 |
自動車整備業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集42集277頁 |
評釈等情報 |
労働判例 1970年 6月15日 101号 29頁 
労働判例 1970年 7月 1日 102号 61頁 
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