概要情報
事件名 |
川崎電気 |
事件番号 |
山形地労委昭和44年(不)第108号
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申立人 |
X1 |
被申立人 |
川崎電気 株式会社 |
命令年月日 |
昭和45年 3月10日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
自立性に乏しく、執行部独善の非民主的運営に終始していた組合の中で活発な活動を展開した申立人を、配転命令拒否を理由に即時解雇した事件で、原職復帰、バックペイ、ポストノーティス及び履行状況の報告を命じた。 |
命令主文 |
1. 被申立人会社は、申立人のX1に対する昭和44年8月12日付の解雇を取消し、同人を本社工場配電盤課に復帰させ、かつ解雇の日から前記職場に復帰させるまでの間、同人が受ける筈であった諸給与相当額を支払わなければならない。 2. 被申立人会社は、この命令交付の日から3日以内に次のような文書を山形県地方労働委員会の命令により掲示する旨を付記し、縦1.3 メートル、横3メートルの板面にかい書で明瞭に墨書の上、本社及び本社工場の各表口のみやすい場所に10日間継続して掲示しなければならない。 記 会社が、X1君に対して昭和44年8月12日付で解雇する旨申渡したことは、同君の組合活動を嫌悪して行なったもので、労働組合法第7条第1号に該当する不当労働行為であったことを認め、これを取消します。 会社は今後このような行為をいたしません。 昭和 年 月 日 川崎電気株式会社 代表取締役 Y1 ( 注, 年月日は掲示した日を記載すること) 3. 被申立人会社は、本命令の履行状況について遅滞なく文書で当委員会に報告しなければならない。 |
判定の要旨 |
1102 業務命令違反
1300 転勤・配転
本人の家庭的事情を認めて転勤を見合わせたにもかかわらず、僅か3カ月後に突如として遠隔地への転勤を発令し、しかも発令の当初から応じなければ解雇するとの強硬な態度をとっていたことからみて、配転の意図は、X1の組合活動を封ずることにあったと認められ、不当労働行為である。したがって、転勤命令拒否を理由とする解雇処分もまた不当労働行為である。
0125 組織・職場活動(含証人の行為)
0211 その他の組合活動
X1の組合活動は、組合大会での発言、夏季ボーナスについてのアンケートの配布、職場会議における残業に関する発言又は社内報への寄稿、組合役員選挙にあたっての活動等の組合の機関決定に基づくものや、当然組合内部の組合員として許された範囲内の行動であって正当な組合活動である。
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業種・規模 |
電気機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集42集141頁 |
評釈等情報 |
労働判例 1970年 5月 1日 98号 30頁 
労働判例 1970年 5月15日 99号 59頁 
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