労働委員会関係裁判例データベース

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概要情報
事件名  本四海峡バス(団交拒否・懲戒処分等) 
事件番号  東京地裁平成16年(行ク)第117号 
申立人  中央労働委員会 
被申立人  全日本港湾労働組合関西地方神戸支部 
申立人補助参加人  本四海峡バス株式会社 
判決年月日  平成17年 6月30日 
判決区分  一部認容 
重要度   
事件概要  本件は、会社が、①組合員2名を出勤停止処分としたこと、②同出勤停止処分等を議題とする団体交渉申し入れに対し、労使関係を認めて応じることはできないとしたこと、③組合に対して組合事務所及び組合掲示板を貸与しなかったこと等が不当労働行為であるとして争われた事件である。
 兵庫地労委は、会社に対し、①出勤停止処分の取消し及びバックペイ、②団体交渉の応談、③組合事務所の貸与等を命じた。これを不服として、会社から再審査の申立てがなされ、中労委は、初審の組合事務所の貸与命令を文書手交に改める他、その余の再審査申立てを棄却したところ、会社がこれを不服として行政訴訟を提起した。東京地裁は、別件訴訟の判決確定により、本件出勤停止処分の無効が確定し、会社が本件各出勤停止処分を取消し、差額賃金の支払いをしている以上、本件救済命令の取消しを求める法律上の利益は存しないとして、一部を却下し、その余の請求を棄却したところ、会社が、これを不服として東京地裁に行政訴訟を提起したため、中労委が緊急命令を申立てていた事件で、東京地裁は申立てを一部容認した。 
判決主文  1 被申立人は、被申立人を原告、申立人を被告とする当庁平成15年(行ウ)第610号不 当労働行為救済命令取消請求事件の判決確定に至るまで、申立人が中労委平成13年(不  再)第44号事件について発した命令によって維持された兵庫県地方労働委員会の平成13 年11月20日付け命令(兵庫県地労委平成12年(不)第6号事件)の主文3項に従い、 申立人補助参加人の組合員に対し、申立外全日本海員組合以外の労働組合を認めない旨表明 するなどして、申立人補助参加人の運営に支配介入してはならない。

2 被申立人は、被申立人を原告、申立 
判決の要旨  7230 必要性の審査
会社は、現在に至るまで、一貫して、組合との間に労使関係を認めて団体交渉を行うことはできないとか、会社の従業員中に組合員が存在しているとは認識していないとの立場を堅持し、基本事件においてもその旨主張するのであって、会社のいう交渉、折衝が団体交渉の実質を有すると認めることはできず、申立の趣旨1項の3及び2項に係る本件救済命令の内容(申立人組合の組合員に対し、申立外組合以外の労働組合は認めない旨表明するなどして、申立人組合の運営に支配介入してはならない。会社は、組合が平成12年7月31日付けで申し入れた団体交渉事項についての団体交渉に誠意をもって応じなければならない。)は、未だ履行されていないというべきであって、そして、組合は、団体権の侵害という重大な不利益を受けているところ、会社の右記姿勢に照らすと、現段階で会社に本件救済命令を自発的に履行する意思がないことは明らかであるから、申立の趣旨1項の3及び2項については、緊急命令の必要性があるとされた例。

7230 必要性の審査
申立ての趣旨1項の2は、平成12年6月5日付け組合員X1に対する転勤命令の取消し命令の履行を求めるものであるが、一件記録上、既にX1は元の勤務地である徳島営業所に復帰していると認められ、実質的に履行済みというべきであるから、この点に関しては、そもそも救済命令の履行を求める必要性はないとされた例。

業種・規模  道路旅客運送業(バス専業) 
掲載文献   
評釈等情報   

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