労働委員会関係裁判例データベース

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概要情報
事件名  東日本旅客鉄道(千葉動労不採用) 
事件番号  東京地裁平成 9年(行ク)第14号 
申立人  中央労働委員会 
被申立人  東日本旅客鉄道株式会社 
判決年月日  平成14年 3月28日 
判決区分  全部却下 
重要度   
事件概要  東日本旅客鉄道株式会社外1社への不採用事件で、中労委の一部救済命令に対し、東日本会社及び組合から行政訴訟が提起されていたところ、中労委が緊急命令申立てを行っていたが、地裁は全部却下の決定をした。 
判決主文  本件申立てを却下する。 
判決の要旨  4911 解散事業における使用者
国鉄による採用候補者の選定及び名簿の作成は、専ら国鉄の権限と責任にゆだねられたものであり、国鉄が、設立委員の権限に属する採用候補者の選定及び名簿の作成行為を補助ないし代行しているものと解することができないし、設立委員において、国鉄が作成した名簿に記載された者の中から更に選別して採用すべき者を決定する権限を有するものの、名簿に記載されなかった国鉄職員についてこれを採用することとしたり、国鉄に対して名簿への記載を命じたりする権限を有するものではないというべきである。

4911 解散事業における使用者
設立委員は、国鉄を通じて職員を募集し、その際、国鉄を通じ労働条件と採用の基準を提示するとともに、国鉄から提出された名簿に記載された者の中から採用すべき者の中から採用すべき者を決定する権限を有してはいるものの、採用候補者の具体的な選定行為及びこれに基づく名簿の作成行為は専ら国鉄の権限とされ、設立員は、国鉄の上記行為について指揮監督したりするなどの規制権限を付与されていないのであるから、設立委員は、国鉄の行った採用候補者の具体的選定及びこれに基づく名簿の作成過程を、雇用主と同視できる程度に現実的かつ具体的に支配、決定することができる地位にはなかったものというべきである。

4911 解散事業における使用者
本件組合員らについて国鉄が行った採用候補者の選定及び名簿の作成過程に不当労働行為に該当する行為があったとしても、その行為についての労組法七条の「使用者」としての責任は専ら国鉄が負うべきものであって、設立委員、ひいては被申立人がその責任を負う余地はないものといわざるを得ない。

業種・規模  鉄道業 
掲載文献  労働委員会関係裁判例集37集930頁 
評釈等情報   

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