概要情報
事件名 |
京都府医師会 |
事件番号 |
東京地裁平成10年(行ウ)第14号
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原告 |
社団法人京都府医師会 |
被告 |
中央労働委員会 |
被告参加人 |
京都府医師会労働組合 |
判決年月日 |
平成11年 3月18日 |
判決区分 |
請求の棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、医師会が、平成7年度賃上げの団体交渉において、組合員らに対して、一度回答した額を後に撤回したこと、ベースアップゼロと回答した根拠を資料を提供して明らかにしなかったこと、交渉権限のある交渉員を出席させなかったことが、それぞれ不当労働行為であるとして申立てがあった事件である。京都地労委は、ベースアップゼロと回答した根拠を明らかにしなかったことは不当労働行為であるとして、医師会に対し、ベースアップゼロの根拠となる資料の提示及び十分な説明を伴った団体交渉を行うことを命じ、中労委もこれを維持したところ、医師会は、これを不服として東京地裁に行政訴訟を提起したが、同地裁は、3月18日、医師会の請求を棄却する判決を言い渡した。 |
判決主文 |
原告の請求を棄却する。 |
判決の要旨 |
2240 説明・説得の程度
医師会が組合のベア実施要求を検討するも応じられないとしても、その理由を客観的な裏付け資料を示して十分説明する等して納得が得られるよう努力すべきであるところ、示した資料はベアゼロの根拠として不十分であり、複数賃金体系導入交渉の糸口とするためにベアゼロに固執しているから、既定の結論を押し付ける不誠実な態度であり、労組法七条二号の不当労働行為に該当するとされた例。
4300 労組法7条2号(団交拒否)の場合
医師会は、地労委あっせんの「平成7年度賃上げ等の誠意交渉」合意を履行したといえず、依然ベアゼロの根拠の説明や資料提示をせず未解決なので、被救済利益は失われていないとされた例。
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業種・規模 |
医療業 |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集34集285頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 1999年6月10日 954号 72頁 
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