労働委員会関係裁判例データベース

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概要情報
事件名  都タクシー 
事件番号  京都地裁平成 9年(行ウ)第35号 
原告  京都・滋賀地域合同労働組合 
被告  京都府地方労働委員会 
判決年月日  平成10年 9月16日 
判決区分  請求棄却・訴えの却下 
重要度   
事件概要  本件は、会社が、組合員X1の昭和40年に遭遇した交通事故に関する労働者災害補償給付の認定等についての組合からの団体交渉の申入れを拒否したことが争われた事件で、京都地労委は、組合が不当労働行為であると主張する行為がなされた時点では、組合の中には会社と労働契約関係にある組合員が存在していたとは認められず、組合には救済を求める資格がないとして申立てを却下したところ、組合が、本件処分の取消及び地労委の違法な公権力の行使による精神的苦痛に対する国家賠償法による損害賠償の支払いを求めて行政訴訟を提起したものである。
 京都地裁は、左記のとおり、組合の訴えのうち損害賠償の支払いを求める部分を却下し、その余の請求を棄却した。 
判決主文  1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。 
判決の要旨  5005 損害賠償の請求
救済申立てを却下した地労委に対する原告組合の慰謝料請求は、国家賠償法に基づく損害賠償の趣旨と解されるが、地労委は京都府の機関で民法上の権利能力を有さず、権利能力を認める法律の規定もないので、損害賠償請求訴訟の被告としての当事者能力を欠き、同訴訟は不適法となるとされた例。

2112 雇用する従業員不存在
2301 人事事項
団体交渉ができるのは、使用者と一定の関係に立つ者に限られ、雇用関係のない労働者の属する労働組合と使用者との間において観念することは困難であるが、労働者が解雇の効力を争っている場合にはなお将来に向けて交渉を行う意味があるから団体交渉権を肯定するのが相当であるとされた例。

2112 雇用する従業員不存在
2302 労務管理・労使関係
4100 退職届けの提出
X2は、会社を退職しており、かつ、雇用関係を抗争しておらず、ほかに組合員で同社に勤務する者がいないから、原告組合が会社に団体交渉を求めることはできず、会社がこれを拒否しても不当労働行為とはならないとされた例。

業種・規模  道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) 
掲載文献  労働委員会関係裁判例集33集626頁 
評釈等情報  中央労働時報 1999年10月 958号 33頁 

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