労働委員会関係裁判例データベース

[判例一覧に戻る]
概要情報
事件名  日本鋼管 
事件番号  東京地裁昭和59年(行ク)第90号 
申立人  中央労働委員会 
被申立人  日本鋼管 株式会社 
申立人参加人  日本労働組合総評議会全日本造船機械労働組合他4件 
判決年月日  昭和60年 3月26日 
判決区分  一部認容 
重要度   
事件概要  本件は、会社が申立外組合を脱退して別組合を結成した3名について、申立外組合とのユニオン・ショップ協定を適用して解雇したことが不当労働行為であるとして申立てがあった事件で、初審神奈川地労委の解雇撤回、原職復帰等の救済命令に対し、会社から再審査の申立てがなされ、中労委は、初審命令のポスト・ノーティスを文書交付に変更したほかは初審命令を維持したところ、会社はこれを不服として東京地裁に行政訴訟を提起した。中労委は、緊急命令の申立てを行ったところ、東京地裁は、原職復帰の部分については認容したが、(1)解雇撤回の部分について、緊急命令制度が本案判決確定に至るまでの暫定的措置であること、(2)バック・ペイの部分については、仮処分決定に基づき仮払いされていることを理由に却下するとの緊急命令を決定した。 
判決主文  一 被申立人は、被申立人を原告、申立人を被告とする当庁昭和59年(行ウ)第102号不当労働行為救済命令取消請求事件の判決確定に至るまで、申立人の昭和59年6月6日付命令(中労委昭和56年(不再)第12号)により維持された神奈川県地方労働委員会の昭和56年2月5日付命令(昭和54年(不)第17号)第一項のうち「被申立人は、申立人補助参加人X1、同X2、同日X3を原職に復帰させなければならない。」との部分に従わなければならない。
二 その余の本件申立を却下する。 
判決の要旨  7230 必要性の審査
組合員三名の賃金・一時金については、仮処分決定に基づき仮払いされているので、バック・ペイについては即時救済の必要性はないが、同人らの原職復帰については、緊急命令を発する必要性がある。なお、解雇の撤回については、原職に復帰させるべき旨を命ずれば十分である。

7312 その他(一部認容された例、全部却下された例等)
組合員3名の原職復帰を求める部分は緊急命令を発する必要性が認められるが、バックペイを求める部分は仮処分決定による仮払いを受けているので即時救済の必要性を欠き、また、解雇撤回を命ずることは相当でないので却下する。

業種・規模  鉄鋼業 
掲載文献  労働委員会関係裁判例集20集449頁 
評釈等情報  労働関係民事裁判例集 36巻2号  168頁 

[先頭に戻る]