事件名 |
長崎生コンクリート |
事件番号 |
長崎地裁昭和58年(行ウ)第4号
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原告 |
長崎生コンクリート 株式会社 |
被告 |
長崎県地方労働委員会 |
被告参加人 |
X1 |
被告参加人 |
X2 |
被告参加人 |
長崎生コンクリート労働組合 |
判決年月日 |
昭和60年12月24日 |
判決区分 |
救済命令の一部取消し |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、経営合理化を理由と組合員2名を配置転換したことが争われ
た事件で、長崎地労委は、配転命令の撤回とバック・ペイを命じたが、長崎地裁は配転命令を不当労働行為と認める一方、バッ
ク・ペイについては中間収入が多大であることなどからこれを取り消した。 |
判決主文 |
一 被告が、長崎県地方労働委員会昭和57年(不)第1号不当労働
行為救済命令申立事件について、昭和58年7月9日付で発した命令のうち、参加人X1に対して昭和57年3月15日付の転勤
命令が発効した日から現職復帰までの諸給与相当額(それに対する年五分の割合による金額を含む。)を支払うことを命じた部分
を取り消す。
二 原告のその余の請求を棄却する。
三 訴訟費用は、原告と被告の間で生じたものはこれを二分しその一を被告の負担とし、その余を原告の負担とし、原告と参加人
の間で生じたものはこれを二分しその一を参加人の負担とし、その余を原告の負担とする。 |
判決の要旨 |
1300 転勤・配転
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
生コン出荷量の減少を理由に、組合役員二名を転勤させたことは、転勤の必要性が、代替措置で対応しうる程度のものであるこ
と、過去に例をみない本人の意思に反する形で第一組合の組合員のみがその対象にされたこと等を考慮すると、不況対策を口実に
第一組合の弱体化をはかる意図のもとに、同人らが第一組合の組合員であることを主たる理由としてなされた不当労働行為であ
る。
4405 バックペイから他収入控除
6320 労委の裁量権と司法審査の範囲
6351 バックペイからの中間収入控除
組合員X1は本件転勤命令により就労を拒否された後、タクシー会社に臨時雇いとして勤務し従前の収入を相当に上回る収入を得
ていたのであるから、生コン運搬車の運転手とタクシー運転手の勤務条件に相当の差異があり、本件転勤命令が組合活動にも若干
の影響を与えたことを考慮しても、バック・ペイの金額を決定するにあたって中間収入の控除を全く不問に付したのは相当とは言
えず、裁量権の合理的な行使の限度を超えたもので違法であるから、本件救済命令中バック・ペイの支払いを命じた部分を取り消
す。
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業種・規模 |
窯業・土石製品製造業 |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集20集397頁 |
評釈等情報 |
労働判例 470号 59頁
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