概要情報
事件名 |
五十川タクシー |
事件番号 |
福岡地裁昭和56年(行ウ)第11号
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原告 |
五十川タクシー有限会社 |
被告 |
福岡県地方労働委員会 |
被告参加人 |
全自交福岡地連五十川タクシー労働組合 |
判決年月日 |
昭和59年 2月29日 |
判決区分 |
請求の棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
組合からの脱退及び別組合への加入慫慂、乗務員の出社、帰庫時間についての組合間差別、組合員X1の出勤停止、減給処分等が争われた事件で、地労委の一部救済命令(56・4・13)を不服として会社側から行訴が提起(56・6・9)されていたが、地裁は請求を棄却した。 |
判決主文 |
原告の請求を棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 |
判決の要旨 |
2622 組合員調査
会社内に二組合が併存する場合、少数組合の組合員を認識するため点呼の際に組合員に挙手を求めたことは、支配介入の不当労働行為である。
3105 事業廃止、工場移転・売却
会社内に二組合が併存する場合に、専務が非組合員に対し多数組合に加入しないことの理由書の提出を求めたことは、支配介入の不当労働行為である。
2620 反組合的言動
会社内に二組合が併存する場合に、会社が退職した少数組合の組合員の再就職先の同業者に情報を流して就職を妨害したことは、支配介入の不当労働行為である。
2901 組合無視
会社内に二組合が併存する場合に、常務が少数組合の組合員X2に対し出庫時刻・帰庫時刻を厳守するよう指示したことは、支配介入の不当労働行為である。
2621 個別的示唆・説得・非難等
会社内に二組合が併存する場合に、常務が少数組合の組合員X3に対し公休出勤・時間外走行をさせないなどど述べて少数組合から脱退するよう説得したことは、支配介入の不当労働行為である。
2901 組合無視
会社内に二組合が併存する場合に、個別点呼の際に常務が少数組合の組合員のみに対し出社時刻を遅くするよう指示したことは、支配介入の不当労働行為である。
0211 その他の組合活動
1400 制裁処分
組合執行委員長X1に対する上記指示の際の言動及び営業車を組合用務に使用したことを理由とする出勤停止15日間の処分は、7条1号に該当する不当労働行為である。
0200 宣伝活動
1400 制裁処分
会社車庫付近で組合情宣紙配付を理由とする組合執行委員長X1に対する減給処分は、7条1号に該当する不当労働行為である。
1603 組合活動上の不利益
会社による支配介入行為は単なる一回的なものでなく、相当恒常的で将来繰り返されるおそれが多分にあるといわざるをえないから、誓約文掲示を命ずる本件命令は労委に与えられた裁量権の範囲を逸脱し、これを濫用したものとはいえない。
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業種・規模 |
道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集19集61頁 |
評釈等情報 |
労働判例 428号 17頁 
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