概要情報
事件名 |
飯島産業 |
事件番号 |
東京地裁昭和40年(行ウ)第107号
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原告 |
飯島産業 株式会社 |
被告 |
中央労働委員会 |
判決年月日 |
昭和52年 2月24日 |
判決区分 |
請求の棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、38年7月組合結成がなされたところ、その直後、(1)社長が組合員に組合脱退を強要する等の言動をしたこと、(2)組合書記長ら2名を配達係に配転したこと、(3)執行委員ら4名を解雇、懲戒解雇したこと等をめぐり争われた事件で、中労委は、会社の行為がいずれも不利益取扱い、支配介入の不当労働行為であるとして、初審の救済命令を支持して再審査申立てを棄却したものである。 会社は、この命令を不服として行政訴訟を提起したものであるが、東京地裁は本訴請求には理由がないとして棄却した。 |
判決主文 |
原告の請求を棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 |
判決の要旨 |
6330 審査手続の違法
当事者の追加があっても、新たに別個の救済申立事件の審査が追加して開始されるものではなく、当該事件の同一性は当事者追加・前後を通じて変わらないから、当事者の追加を認めたのは違法であるとの会社の主張は理由がない。
6225 労委審査手続上の適法要件
労組法5条1項の趣旨は、組合の自主性、民主性を確保する見地からのものであって、行訴法10条1 項の規定するとおり、使用者が右条項を根拠として組合の申立資格の違法を理由として救済命令の取消しを求めることはできない。
1300 転勤・配転
執行委員長、書記長の配転は、同人の組合活動を嫌悪してなして報復措置である。
0700 職場規律違反
経営権等侵害の言動を理由とする組合員X1・X2の懲戒解雇は、同人等の言動が経営権等を侵害する性質のものであったと断ずることはできず、同人らの組合活動を嫌悪してなした報復措置であるというほかない。
0500 勤務成績不良
無断欠勤を理由とする組合員X1の懲戒解雇は、他の組合役員に対する一連の処分等を合わせ考えると、同人の欠勤に籍口してなした組合への支配介入の一環であったというべきである。
0900 不正行為
別会社在職中の金員の着服等を理由とする組合員X3の懲戒解雇は、同人が社長からの組合脱退強要に応じなかったこと等を合わせ考えると、同人の組合活動を嫌悪して、右のような口実のもとになしたものというべきである。
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業種・規模 |
卸売業、小売業、飲食店 |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集15集83頁 |
評釈等情報 |
 
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