概要情報
事件名 |
中国放送 |
事件番号 |
広島地裁昭和42年(行ウ)第2号
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原告 |
日本民間放送労働組合連合会中国放送労働組合 |
被告 |
広島県地方労働委員会 |
被告参加人 |
株式会社 中国放送 |
判決年月日 |
昭和50年 6月25日 |
判決区分 |
救済命令の一部取消し |
重要度 |
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事件概要 |
本件は組合委員長であるアナウンサーが行ったアドリブ放送の内容が不偏不党の原則に反するとして、ラ・テ連絡部へ配転を命じられ、同人がこれを拒否して指名ストを実施したところ、懲戒休職処分に付され、さらに他課へ再配転された事件で、広島地労委の棄却命令を不服として組合から訴えが提起されていたが、広島地裁は、配転問題については地労委命令を取り消し、休職処分についてはすでに会社が取消していることから、訴えを却下した。 |
判決主文 |
本件訴のうち、被告が広労委昭和39年(不)第18号不当労働行為救済申立事件につき昭和41年11月1日付でなした命令の取消を求める部分を却下する。 被告が、広労委昭和39年(不)第9号不当労働行為申立事件につき昭和41年11月1日付でなした命令を取消す。 訴訟費用のうち、補助参加によって生じた分は補助参加人の負担とし、その余は被告の負担とする。 |
判決の要旨 |
6120 取消訴訟の対象
労委の棄却命令は、救済命令の発布を拒否し、これにより救済手続を終結させる効果を生ずる一つの意思表示であり、これを行政処分というに妨げなく、棄却命令が取消訴訟の対象にならないとの労委の主張は理由がない。
6342 不利益取扱いに関する不当労働行為の成否の判断の誤り
組合委員長に対するアナウンス課からラジオテレビ連絡場付への配転及び企画局調査部調査課への再配転が不当労働行為にあたり、組合の救済申立てを棄却した命令は違法であって取消を免れない。
1300 転勤・配転
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
アドリブアナウンスを理由に、アナウンサーである組合委員長に対するアナウンス課からラジオテレビ連絡部付きへの配転及び企画局調査部調査課への再配転は、同人の組合活動を嫌悪してなした不利益取扱い及び支配介入である。
6140 訴の利益
棄却命令後に組合委員長に対する懲戒休職処分は撤回され、処分に伴う不利益は除去されたので、労委が処分に関し救済を与える余地はないから、棄却命令の取消を求める本訴はその利益を欠くから却下する。
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業種・規模 |
放送業 |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集14集185頁 |
評釈等情報 |
判例時報 792号 90頁 
労働判例 231号 34頁 
労働法律旬報 888号 91頁 
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